FXcoinは10日、国内の取引所としては初めてXRPベースの仮想通貨取引の取扱いを開始したと発表した。新たにBTC/XRP、LTC/XRP、BCH/XRPの取引ペアを追加する。

これまでFXコインでは、BTC/JPY、XRP/JPY、LTC/JPY、BCH/JPYの取引ペアを扱っていたが、今回のXRPベースのペアを追加して、計7ペアでの取引が可能となる。

今回、XRPベースの取引ぺア追加について、FXコインの次のように説明している。

「暗号資産間の取引はBTCベースでプライシングするのが一般的ですが、決済時間が速く、手数料が圧倒的に安いXRPを利用し、BTCベースではなく、XRPベースで決済するほうが便利で合理的であり、今後XRPベース取引が拡大していくものと当社は考えております」。

FXcoinの大西知生社長によれば、日本国内で活発に取引されている暗号資産の1つであるXRPをベースとすることで、XRP投資家の取引所利用を促す考えだ。現状ではXRP投資家がほかの暗号資産を購入しようとするときには、XRPを売却して、BTCなどを購入する形になるが、XRP建てにすることでこういった手間を省くことができる。

FXcoinでは今年5月に「リップルウィークリーレポート」を開始し、XRPの相場動向とは別にリップルやXRPを巡るトピック解説も始めている。XRP取引でのスプレッド縮小キャンペーンを実施するなど、XRP投資家を引き付ける取り組みを進めている。今回のXRPベースの取引ペア追加で、個人投資家取り込みに弾みをつけるとみられる。

現在、FXcoinでは住友商事と協力して、XRPの実証実験を行っている。これは、住友商事グループ会社間の債権債務を暗号資産XRPを用いて決済するものだ。このような取り組みによって、XRPのビジネス面での実需取引拡大につなげたいと大西氏は話す。「暗号資産を使った送付や投資が便利であるということが明確になれば、日本でも相当使う人が増えてくのではないか」と大西氏は話す。特にスワップビジネスでは、商社や金融機関、機関投資家にとって魅力的であるとみる。今回の住友商事やSBIホールディングスとの実証実験で、実際のユースケース確立を目指したいという。