仮想通貨市場が下落する中だが、ベンチャーキャピタル(VC)企業は2023年にも取引を継続しており、いわゆる「クリプトウィンター(仮想通貨の冬)」でも仮想通貨業界は活況を呈している。
PitchBookが発表した2023年第1四半期の仮想通貨レポートによれば、仮想通貨企業は353件の投資ラウンドで26億ドル(約3520億円)を調達した。業界が活発であることは確かだが、かつての勢いはないことも明らかだ。レポートによれば、前四半期比で取引額が11%減少し、総取引数が12.2%減少した。

レポートではさらに、バリュエーションの傾向がまちまちであるとも指摘されている。
シードラウンドは33.3%増加し、レイトステージラウンドは2022年全体と比べて209.2%増加したが、アーリーステージラウンドは16.7%減少している。
レポートは、下落傾向が続く可能性を認識しつつも、業界に対する前向きな見通しにも触れている。
データによれば、レイヤー2のスケーリングソリューションは2022年の勢いを維持できるとされる。レポートでは、ブロックストリームがビットコイン(BTC)のマイニングインフラを資金調達するために1億2500万ドル(約169億円)を調達したことや、ゼロ知識イーサリアム仮想マシンスケーリングソリューションを構築するスクロールがVCラウンドで5000万ドル(約67億円)を調達したことに言及している。
スケーリングソリューションのほかにも、2023年にはカストディソリューションプロバイダーのレジャーとトーラスが大規模な投資を受けている。3月30日には、レジャーがセルフカストディ需要の高まりを受けて1億900万ドル(約147億円)を調達し、2月14日にはタウルスがシリーズBで6500万ドル(約88億円)を調達した。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン