ソーシャルメディア上の多くのユーザーが、パキスタンのイムラン・カーン首相に対し、仮想通貨アドバイザーのジア・ウラ・バンガシュ氏を復帰させるためのオンラインキャンペーンを開始した。

17日、カイバル・パクトゥンクワ州のマフムード・カーン大臣の科学技術・情報技術顧問であるバンガシュ氏は、辞職すると発表した。バンガシュ氏は、カイバル・パクトゥンクワ州議会議員を務めていたこともあり、選挙区での責任に加え、「やむを得ない事情」を理由に顧問職を辞めることにしたという。カーン大臣はまだ正式に辞任を受け入れていないとしている。

バンガシュ氏はブロックチェーンやデジタル通貨プロジェクトの推進者と考えている人物だ。突然に辞任について、パキスタンの仮想通貨ユーザーの多くが反発した。

バンガシュ氏の発表から数時間のうちに、多くの人が「WeWantZiaBangashBack(バンガシュ氏が戻ってくることを望む)」というハッシュタグをつけ、2万3900件以上のツイートが国内でトレンド入りした。中には、2023年に予定されている次の選挙で、イムラン・カーン首相への投票を控えると脅す人もいた。

あるユーザーは、首相のツイッターアカウントをタグ付けして、「彼は政治家の中で唯一、仮想通貨とテクノロジーを理解している人だ」と述べた

さらに「(バンガシュ氏は)仮想通貨を我が国に取り戻すことに貢献した唯一の人物だ」とし、首相に対し「彼を連れ戻せ、さもなくば次の投票はしないぞ」と脅した。

突然の辞任の理由については、国が革新的な技術を推進するのを妨げようとして、地元のマフィアグループを使ってバンガシュ氏に圧力をかけたのではないかと推測する人が多い。

こうした推測をする人の中には、仮想通貨のインフルエンサーであるワカル・ザカ氏がいる。同氏は以前、パキスタンの仮想通貨政策を策定するための連邦委員会の設立に貢献した。ザカ氏は次のようにツイートした。

「仮想通貨を実現し、パキスタンでFacebookの収益化を実現するために尽力していた人物が辞任したが、なぜだかわかるかい? 政府には何もしたくないバカがいて、Zia(バンガシュ氏)のような人をやめさせてしまった。カーン首相、彼を戻してほしい」

バンガシュ氏は、技術アドバイザーおよび仮想通貨擁護者として、規制環境に影響を与える可能性のあるパキスタン政府の動きを定期的にツイートしていた。辞任を発表する前の最後の投稿は、パキスタン国立銀行のレザ・バキール総裁がCNNで、中央銀行のデジタル通貨の発行を慎重に検討していると述べたことだった。さらに、カイバル・パクトゥンクワ州で「パキスタンでの仮想通貨とマイニングを合法化するために行動を起こしている」という取り組みを報告した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン