データトラッカーのトークノミストによると、仮想通貨プロジェクトは9月に約45億ドル相当の権利確定済みトークンをアンロックする予定だ。

トークノミストのデータによれば、そのうち約11.7億ドルがクリフ型のアンロックによるもので、33.6億ドルがリニア型のアンロックによるものとなる。権利確定契約の満了により、投資家、プロジェクトチーム、その他のステークホルダーに対して合計45億ドル相当のトークンが利用可能になる。

クリフ型アンロックは、通常、一定のロックアップ期間終了後に一度に大量のトークンが解放される仕組みであり、供給ショックによって市場に強い影響を及ぼす傾向がある。一方、リニア型アンロックは時間をかけて徐々にトークンを分配するため、供給への影響を緩和する効果がある。

9月に大量の権利確定済みトークンをアンロックする主要プロジェクトとして、スイ(SUI)、ファストトークン(FTN)、アービトラム(ARB)、アプトス(APT)などが挙げられる。

9月にトークンがアンロックされるプロジェクト Source: Tokenomist

SUIが9月のアンロックでトップに

SUIは、9月に予定されているトークンアンロックの中で最大規模を誇り、1億5300万ドル超のトークンが解放される見込みである。トークノミストのデータによると、同ネットワークは供給量の35.1%しか市場に流通させておらず、依然として相当量のトークンがロックされたままとなっている。

これに続くのはFTNで、9000万ドル相当のトークンが新たに供給される予定だ。SUIとは対照的に、FTNはすでに96%以上のトークンを流通させており、今回のアンロックは供給全体から見ると比較的小さな増加にとどまる。

アプトスは約5000万ドル、アービトラムは約4800万ドル相当のトークンを来月アンロックする予定であり、両者は僅差で続いている。

その他の注目すべきアンロックとしては、スタークネットが1685万ドル、SEIが1649万ドルのトークンを解放予定だ。さらに、ZKは1070万ドル、イミュータブルは1340万ドル相当のトークンをリリースする計画となっている。

市場の視点は「ファンダメンタルズ重視」へ

セキュリティトークンプラットフォームのポリマスのヴィンセント・カダーCEOは7月、かつて投資家はトークンのアンロックに対して「不安」を抱いていたが、その認識は変化しているとコインテレグラフに語っている

カダー氏によれば、成熟した投資家は経済性、採用状況、ガバナンスの透明性、長期的な価値と整合するインセンティブを評価している。市場は短期的な影響よりもファンダメンタルズに注目するようになっているという。

またカダー氏は、この変化は業界全体にとって建設的であり、ブロックチェーンプロジェクトが成長し、公開市場と結びつくにつれて議論が進化していると付け加えた。

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