スパムやボットは長年インターネットを利用する人の悩みの種となっているが、最近、このデジタル上の問題が仮想通貨分野での活動を大きく活発化させている。

仮想通貨インテリジェンスプロバイダーのLunarCrushは、仮想通貨圏のスパムが3894%増という驚異的な増加を見せていると指摘している。同社は2019年から仮想通貨に特化したソーシャルデータを収集しており、スパムが過去最高であるだけでなく、「ソーシャルメディア上で最も速く成長している指標」であると指摘している。

この調査結果は5月25日のレポートで発表された。「あなたが思っている以上に多くのスパムアカウントが、実際には人である」とも述べている。このため、スパムを検知しフラグを立てることは、ソフトウェアにとってしばしば困難な課題となっているという。

Spam Volume collected by LunarCrush over the previous 2 years

ツイッターは仮想通貨業界のソーシャルメディアとして選ばれているが、スパムやボットであふれかえっている。LunarCrushによると、過去2年間でTwitterのスパム量は1374%増加したと推定している。

LunarCrushのCEOであるジョー・ヴェッザーニ氏は、クアンタム・エコノミクスの創設者マティ・グリーンスパン氏のニュースレターで次のように語っている。

「ツイッターのようなWeb2プラットフォームにとって、偽のアカウントに目をつぶることは、プラットフォームの価値を高めることになるので、直接的なインセンティブになる」

トークン化されたWeb3プラットフォーム(AaveのLens ProtocolやOrbisなど)は、コミュニティから価値を引き出そうとするのではなく、できるだけ多くの本物のユーザーに資産を保有してもらいたいという点で異なると、彼は付け加えている。