仮想通貨市場構造を定める法案を巡り、業界幹部の間で意見の分裂が鮮明になりつつある。コインベースのような大手が支持を撤回する一方で、「規制がないよりはあった方が良い」とする声も上がっている。
a16zクリプトのマネージングパートナー、クリス・ディクソン氏は木曜日、「仮想通貨を構築する側には、明確なルールが必要だ」と述べた。
同氏は、過去5年間にわたり共和党、民主党、そしてトランプ政権が「分散化を守り、開発者を支援し、起業家に公平な機会を与えるため、仮想通貨業界全体と緊密に協力してきた」と指摘し、「この法案は、その中核を体現している」と語った。
これらの発言は、今週上院で修正審議が予定されていたものの、水曜日夜に上院銀行委員会によって延期された、いわゆるCLARITY法を指している。
ディクソン氏は「完璧ではなく、成立前に修正は必要だが、米国が仮想通貨の未来を築く上で世界最高の場所であり続けるためには、今こそCLARITY法を前進させる時だ」と述べた。
コインセンターのエグゼクティブディレクターであるピーター・バン・ヴァルケンバーグ氏も木曜日、「現在の市場構造法案の草案が示す方向性については楽観視している」と前向きな見解を示した。
この法案は、米国最大の取引所であるコインベースが「現行案では不十分だ」として支持撤回を表明したことで、注目を集めている。
コインベースCEO「問題が多すぎる」
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは水曜日、上院銀行委員会の草案を精査した結果、「残念ながら、現行の文面では支持できない」と述べた。
同氏は「トークン化株式の事実上の禁止、DeFiの制限、政府による無制限な金融記録へのアクセス、プライバシー権の侵害、商品先物取引委員会(CFTC)の権限低下と米証券取引委員会(SEC)への従属、イノベーションの阻害、さらにステーブルコインの報酬を潰し、銀行が競争相手を排除できるようにする修正案など、問題が多すぎる」と列挙した。
アームストロング氏は、超党派で合意形成を目指した上院議員の努力には感謝を示しつつ、「この案は現状維持よりも実質的に悪い」と強調した。「悪い法案なら、ない方がましだ」と同氏は語った。
ビットワイズ・インベストのリサーチ責任者であるライアン・ラスムッセン氏も同様の見解を示し、現行のCLARITY法案草案は、トークン化、ステーブルコイン、DeFi、プライバシー、開発者、利用者、投資家、そしてイノベーション全般にとって不利だと指摘した。
仮想通貨専門弁護士のジェイク・チャビンスキー氏もアームストロング氏と同様の問題点を挙げつつ、「修正審議や、その後の上院本会議で、CLARITY法を最善の形にする機会がある。良くも悪くも、成立までに条文は大きく変わる。より良い方向を目指そう」と述べた。
ベンチャーキャピタリストのティム・ドレイパー氏もコインベースCEOを支持し、「アームストロング氏の主張は理にかなっている。現在の上院妥協案は、法案がない場合よりも悪い。銀行が介入しているように聞こえる」と語った。
論争をよそにビットコインは堅調
コインテレグラフの取材に対し、OKXシンガポールのCEOであるグレイシー・リン氏は、最近のビットコイン上昇について「市場は政策当局が結論を出す前に、結果を織り込み始めることが多いことを改めて示している」と述べた。
同氏は「現物ETF需要の回復、流動性の改善、そしてCLARITY法が米国のデジタル資産市場により安定した枠組みをもたらすとの期待が、ビットコインを押し上げている」と付け加えた。
今後の焦点として、「上院銀行委員会でCLARITY法がどう進化するか、現物ETFの資金フローがどこまで持続するか、そして1月下旬の米連邦準備制度理事会(FRB)会合が金融環境を支え続けるのか、それとも急激なリセットを招くのか」の3点を挙げた。
ビットコイン(BTC)は水曜日の遅い時間に9万7600ドルを上回ったが、執筆時点ではやや落ち着き、9万6350ドル前後で推移している。
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