投資仲介プラットフォームのイートロ(eToro)は、米国での上場に向けてしっかりと動き出したようだ。

16日のプレスリリースによると、同社はフィラデルフィアの実業家であるベッツィー・コーエン氏が所有する特別買収目的会社(SPAC)であるFinTech Acquisition Corp Vを通じて米ナスダックに上場する。企業価値の評価額は100億ドルを見込んでいるという。2021年後半にも上場を予定している。

両社は約6億5000万ドルの株式の調達も行う。ソフトバンクグループ傘下のビジョン・ファンド2やフィデリティ・マネジメント&リサーチカンパニー、サードポイントなどが出資する。

既報のように、イートロは上場に向けて動いていると噂されていた。

SPACの合併による上場を選択した理由について、イートロの広報はコインテレグラフに次のように述べている。

「SPACはフィンテック分野に深い知識を持ち、上場を目指す企業との提携に実績を持つスポンサーとのパートナーという機会をイートロに与えてくれた。FinTech V社とのシナジーを見込み、この選択を行なった」

また合併後の企業はイートロ・グループという名称になるという。

イートロは欧州や豪州、ジブラルタル、英国でサービスを提供しているほか、2019年には米国金融業規制機構(FINRA)からブローカー・ディーラーライセンスを取得している。

2007年に設立されたイートロは、コピートレード(個人投資家がプロ投資家の売買と連動させる手法)などの機能が特徴で、投資家の情報が共有できるソーシャルトレーディングの草分け的存在だ。

2013年にはビットコイン取引を開始して以来、イーサやライトコインなどの仮想通貨サービスを拡大してきた。ヨニ・アッシアCEOによると、2020年のイートロの仮想通貨取引量は前年比で25倍になったという。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン