仮想通貨投資ポジションへの資金配分が、分散投資ポートフォリオのパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが示された。

仮想通貨資産管理会社のアイコニック・ファンズとクリプトロジー・アセット・グループが実施した研究調査によれば、投資ポートフォリオのパフォーマンスにポジティブな影響を与える仮想通貨投資の能力は、いくつかの資産配分モデルにまたがって認められる。

仮想通貨は、特に最近5月に発生した市場暴落時のようなその価格変動性の高さにもかかわらず、分散投資ポートフォリオの収益性を向上させることができる。

調査研究レポート『Cryptocurrencies and the Sharpe Ratio of Traditional Investment Models(仮想通貨と伝統的投資モデルのシャープレシオ)』では、いくつかのポートフォリオ配分手法に仮想通貨資産を追加することで起こる、リスク/リターンプロファイルの変化が検証されている。

このリスク/リターン検証は、さまざまな資産ポートフォリオモデルに仮想通貨ポジションが含まれる時のシャープレシオ(価格変動性の高い資産を保有することで得られる超過リターンの評価指標)の変化を計測することによって行われた。

仮想通貨は相関性のない資産クラスであると考えられているため、その明らかな価格変動の大きさにもかかわらず、仮想通貨を追加することで投資ポートフォリオのリスク/リターンのパフォーマンスは改善されるはずである。

この研究調査はパッシブ投資戦略を前提に、仮想通貨エクスポージャーを導入した伝統的なポートフォリオモデルのシャープレシオの変化を、仮想通貨への配分がない参照インデックスと比較してマッピングした。

Source: Cryptocurrencies and the Sharpe Ratio of Traditional Investment Models

また、各ポートフォリオモデルに対して仮想通貨ポジションを増やした場合の影響を調べるため、仮想通貨への配分バランスを1%、3%、5%に変化させた。

この報告書は調査結果の詳細について触れ、「本報告書は、対象となったすべてのポートフォリオにおいて、仮想通貨の追加がポートフォリオのリターンだけではなく、リスク/リターンのパフォーマンスにもポジティブな影響を与えたことを示している」と述べ、次のように付け加えている:

「この調査結果は、21年前半に起こった仮想通貨市場の大幅な調整場面でも有効である。また、より多くの仮想通貨を追加することで、さらに高いリターンにつながった」

同報告書によれば、21年の調査結果は、20年の調査で導き出された結論の信用度を高めるものでもある。20年の調査は、同年3月中旬の市場暴落にもかかわらず、仮想通貨への配分が投資ポートフォリオにポジティブな影響を与えたことを示した。