ブロックチェーン分析企業のチェイナリシスが30日に公表したレポートによると、新型肺炎コロナウイルスはダークネットマーケットへの影響が最も大きかったようだ。
レポートではビットコインの消費動向について調査。価格の下落に影響を受けた分野を一般的な仮想通貨支払いを受け入れるサービス(マーチャント・サービス)、ギャンブル、ダークネットマーケットの3種類に分類。それぞれのカテゴリは予想通りに下落の傾向を見せたものの、ダークウェブ市場は特にビットコイン価格の下落との相関関係が高かった。
(出典:チェイナリシス「コロナウイルス前後のビットコイン価格との相関関係」数値が大きければ、ビットコイン価格が上がった(下がった)場合に顧客から多く(少なく)ビットコインを受け取ることを示す。0に近ければ相関がない)
グラフに示されている通り、ダークネットマーケットではビットコイン価格が下落し始めてから急激に収益が減少していると報告。
ダークネットマーケットの活動が少なくなっている理由については、違法取引組織が資金調達が行えないために薬物の販売が難しくなっていることなどを挙げている。さらに購入側も公衆衛生上の問題から薬物の購入を控えていると推測している。
実際に中国ではコロナウイルスの影響が低下した際にはダークネットマーケットでの取引も増えている傾向にあるという。
(出典:チェイナリシス「中国でのダークネットマーケットでの仮想通貨送金額)
一方でマーチャント・サービスもビットコイン価格との相関は下落。これはコロナウイルスの影響で営業ができなくなったことが原因であり、価格変動自体に対しては比較的弾力性を維持しており、購入量はあまり低下しなかったという。