分散型台帳技術(DLT)が気候行動に貢献する力を持つと信じるブロックチェーンプロジェクトが、2023年の国連気候変動会議(COP28)に参加している。

11月30日から12月12日まで、世界各国の政策立案者らがドバイのエキスポシティに集結し、気候行動の取り組みを議論している。この世界で最も重要な気候変動サミットに、廃棄物管理の変革やブロックチェーン技術を用いた炭素排出量の追跡など、環境保護のための努力にブロックチェーンプロジェクトが参加した。

エキスポシティ・ドバイで開催されたCOP28. Source: Cointelegraph

気候変動ファイナンスに透明性をもたらす

12月4日、エンビジョン・ブロックチェーンとHBAR財団は国連と提携し、炭素市場を合理化するための新しい分散型技術パッケージを作成した。これらの組織は、炭素市場向けのデジタル化された測定・報告・検証(dMRV)に焦点を当てたオープンソースのマネージド・ガーディアン・サービス・プラットフォームを共同で発表した。このプラットフォームはヘデラ・ハッシュグラフ上に構築され、炭素市場を変革することを目指している。

12月5日には、アブダビの先端技術研究評議会(ATRC)の応用研究部門であるテクノロジー・イノベーション・インスティテュート(TII)が、検証可能な炭素取引を可能にするブロックチェーンベースのプラットフォームを発表した。このプロジェクトは、グリーン投資において重要な役割を果たし、ゼロエミッションへの道を加速させることを目指している。

TIIのチーフリサーチャーであるナジワ・アラジ氏は、「この追跡および取引プラットフォームは、取引の完全性とユーザーのプライバシーを保護しながら、監査可能性と透明性を確保するため、新しい時代の炭素取引の最適なツールになる」と述べた。

発表によると、このプラットフォームは環境から除去された二酸化炭素の量を表すトークンの作成を可能にする。これらのトークンは保有および取引が可能であり、植林や炭素回収などのグリーンプロジェクトへの投資を促進することを目指している。

COP28イベントの気候金融エリア  Source: Cointelegraph

12月7日には、オルコットIO、カーボン・オポチュニティーズ・ファンド、トラム・アースの3つの組織がデジタル炭素クレジットを創出する取り組みを発表した。これらの組織は、持続可能な未来を促進し、気候ファイナンスの透明性を高めることを目的としている。

この提携により、各組織はヘデラの分散型台帳ネットワークを活用したガーディアン・オープンソース・プラットフォームを採用する。取り組みの一環として、ガーディアンと互換性のある環境資産の開発が含まれる。これらの資産には検証可能なデジタル属性が付与され、プロジェクトが具体的かつ環境に肯定的な結果をもたらしているという主張を裏付ける証拠を追跡できるようになる。

一方、仮想通貨取引所クーコインは12月7日、気候変動と持続可能な開発に取り組む複数のプロジェクトに10万ドルを寄付したと発表した。この資金は、乳幼児を汚染から守るため、アフリカで太陽光発電の照明を提供するため、社会的に不利なコミュニティの若い女性を支援するために使用されるという。

また一部の団体はCOP28サミット後も取り組みを続ける計画だ。12月6日、DLTアースはデジタル気候方法論の開発のためのハッカソンイベントを発表した。発表によれば、気候市場評価の透明性を高めるため、DLT科学財団(DSF)が、1月8日から12週間にわたる仮想ハッカソンを実施する。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン