コンセンシス(ConsenSys)社のブロックチェーンスタートアップであるカレイドとアマゾンウェブサービス(AWS)は8日、企業のブロックチェーンソリューション実装を支援するフルスタックプラットフォームをローンチしたと発表した。

カレイドマーケットプレイス(Kaleido Marketplace)と名付けられた同プラットフォームでは、数々の「プラグアンドプレイ」式のフルスタックツールやプロトコルを提供することで、ブロックチェーンプロジェクトの構築に必要な「自前で書くコードを80%削減する」ことができる。そのニーズはバックエンド開発から、アプリのユーザーインターフェースのフロントエンド開発におよぶ。

同マーケットプレイスの顧客はAWSクラウドとネイティブな統合を行なうことが可能で、さらに「プライバシー確保のためのHDウォレット、組織の身元証明のための識別レジストリ、チェーンリンクをはじめとするスマートコントラクトオラクル向け産業製品、サプライチェーンマネジメント向けのヴァイアント、リアルタイムのリーガルコントラクトを実現するオープンローやClause.io」といったソリューションを迅速に実装することができる。

カレイドの既存顧客には主要商品取引・金融ネットワークであるコムゴが含まれているという。コモゴは世界的金融機関や企業で構成されており、シティ、ING、コックサプライ&トレーディング、三菱UFJ銀行、ソシエテジェネラル、クレディアグリコルグループ、BNPパリバ、シェルが含まれる。

コムゴのスレイマン・バディCEOも同様に、カレイドのエコシステム上で開発されているプロトロルの中から最適な組み合わせを選択するは容易なので、ソリューションの最適化を行ったり「多数の参加者に対してプロダクションレディの製品を迅速に提供することができる」と強調している。

5月の報道の通り、カレイドはジョゼフ・ルービン氏設立のインキュベーター、コンセンシスによる支援を受ける新興ベンチャーだ。イーサリアム(ETH)ネットワークを基盤としている。ルービン氏は以前、カレイドを利用することで、ウェブ3.0が企業にとって「徹底的にシンプル」なものになると述べている。

AWSは4月、カレイドと提携を行なうのに先立ち、イーサリアムとハイパーレッジャーファブリック向けの、独自ブロックチェーンフレームワークをリリースしている。フレームワークの利用者は、ブロックチェーンで動作する分散型アプリケーション(DApps)を、自ら構築したり管理することができる。