Consensus acquired JP Morgan blockchain quorumイーサリアム開発企業コンセンシス(Consensys)は25日、JPモルガン・チェースが開発するブロックチェーンプラットフォーム「クオラム(Quorum)」を買収したと発表した。コンセンシスは今回の買収で、イーサリアムブロックチェーンであるクオラムを使ったデジタル資産の機能やデータ管理の利用可能性を向上させるとしている。

今回の発表に伴い、JPモルガン側からもコンセンシスに戦略的投資を実施。ただ、具体的な金額などは明らかにしなかった。

コンセンシス創業者兼CEOのジョセフ・ルービン氏は「イーサリアムの最初のブロックが採掘され、コンセンシスが設立される前から、私たちはJPモルガンと協力してイーサリアムの概念実証(PoC)や本番システムの開発を行ってきた」と長い協力関係にあったことを強調した。

コンセンシスは既存のプロトコル開発におけるロードマップをクオラムと統合させる。コンセンシスの全てのエンタープライズ・イーサリアムの技術は「コンセンシス・クオラム(Consensys Quorum)」という新しいブランドに置かれる。

JPモルガンによると、クオラムはオープンソースのままで継続する。クオラムは300以上の銀行が参加する決済ネットワーク「インターバンク・インフォメーション・ネットワーク(IIN)」に使用されており、現在稼働しているプロジェクトは引き続き、運営されていくとしている。さらにクオラムはJPモルガンの独自デジタル通貨であるJPMコインの開発基盤でもある。これまでに今回の買収がIINやJPMコインの開発に影響を与えることはないとされている。

一方で、JPモルガンのブロックチェーン担当グローバルヘッドであるウマル・ファルーク氏はロイター通信に対し、「QuorumチームはJPMorganに残り、今後1年間は移行を支援し、その後は他のブロックチェーンプロジェクトに取り組むことになるだろう」と語った。

今回の買収については2020年2月、ロイター通信が匿名の情報筋の話として報じられていた