医療データをブロックチェーン・プラットフォーム上に保管、シンプルで安全なデータ共有目指す

 医療産業において、データの保管は極めて重要だ。この分野でセキュリティ侵害が起こると、経済的な影響―健康保険の点で―がでるだけでなく、患者の安全も損なってしまう。新たなプラットフォームであるティミコイン(Timicoin)は、ブロックチェーン技術を通して患者データの安全性を高めることを目指している。

 ティミコインは、自らを「トークン化された医療エコシステム」と評し、患者の医療データがばらばらになって孤立してしまっている現在の性質と、結果として情報を非効率的で効果のないやり方で使用してしまっている状況に対して、解決策を提供すると主張している。例えば、患者についての情報を転送する医療機関は現在、施設と使用者のデータが分離しているために、あるべきよりも複雑な形になってしまっている。ティミコインは、同社のブロックチェーン・ソリューションで「医療情報交換」(HIE)を使うことで医療情報を確保することを提案している。

 ティミコインのホワイトペーパーは、HIEを「系列外の機関にわたる患者や医者、看護師や薬剤師、その他の医療提供者が入手した臨床データの信頼可能で互換性のある電子共有であり、次々にネットワーク効果を生み出す」と定義している。ティミコインのチームは、これによって世界のどこで治療を受けていても患者データの平易な転送が可能になる、と主張している。これが次には、例えば他の場所ですでに結果が得られている際に再検査を行うといった資源の無駄遣いを避けることにつながるだろう。

 ティミHRは、モバイルアプリでアクセスできる「モバイル・カルテ」につけられた名前で、個人の医療データの携帯可能な性質を向上させるシステムだ。ティミHRのエコシステムは「ティミコイン・ユーティリティトークン」で作動し、米国のHIPAA法(医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)に準拠したティミチャットというプライベート・メッセージのサービスで患者、プロバイダー、及び他のデータ使用者の間で安全なコミュニケーションを可能にする機能も持つ予定だ。また、ティミペイシェントという別のアプリによって患者は、自身のデータへのアクセスを求める需要者への許可を管理し、カルテを維持し、さらにティミコインの決済と預金を管理することができるようになる。

 ティミコインのチームは、このシステムがどう機能するかについて4つのステップを説明している。まず、ウェアラブルなスマート医療機器から得られた日々の活動データが、患者の許可を受けて提供される。それからこの監視データに治験報告書と検査結果をこの監視データに組み合わせ、ティミEMRの通院記録に追加することができる。その後、ティミヘルスの「問い合わせエンジン」は、データ需要者がデータへのアクセスを求めた際に患者の記録を取り出すことができる。そして契約と支払いが確定し処理された時点で、プロバイダーと需要者の間で直接プライベートデータの記録の共有が―ブロックチェーンを通して―可能となる。チームは、患者が明確な許可を与えない限り患者の身元が決して明かされず、ティミペイシェント・アプリで患者が承認した際にアクセスが与えられるのは患者自身のデータのみだ、という点を強調したがっている。ダッシュペイによる支払いやハイパーレジャーによるデータ共有など、信頼できるシステムを使用することで、安全性が強化されている。

 ティミコインは、この保管システムには多くの利点があり得ると主張している。第一に確実性の観点から、最新のノードハッシュはいつでも前のノードハッシュと受動的に接続されることになるため、ブロックチェーンにおけるネットワークノードのどんな改ざんにもユーザーが簡単に気づくことができる。第二に、患者が一度許可を与えれば、患者情報は世界中どこからでも常に―リアルタイムで―更新されたノードから利用可能となる。そして最後に、このハイパーレジャー・システムは「ユーザーの役割とアクセスをユーザーの種類と支払い契約に基づいて定義する許可型のブロックチェーン・ネットワーク」を実行することによって、プライバシーが強化されることになる。このデータは、契約が初期化された後にハイパーレジャー経由で共有されない限り、医療機関のコンピューター上に残ることになる。

 採掘と報酬に関しては、新たにつくられたティミコインがトランザクションを処理する採掘者に割り当てられる。トランザクションフィーは、データと身元を提供した患者に対し与えられることもある予定だ。

 同社によると、医療データ保管へのこの取り組みを歓迎した著名な医療専門家もいる。ジム・ボネット医学博士は、トークン化が医療にもたらすことができるプラスの側面について述べている。シスコのエンタープライズネットワーキング販売の技術責任者であるアンドレ・ローラン氏も、医療専門職にブロックチェーンを統合することで得られる多くの利点を説明している

 経営諮問委員会が米国に、技術チームがプエルトリコとインド、ロンドンに拠点を置くティミコインは、医療データの保管方法を平易で確実なものにし、さらに現代医学の発展を促進するための医療データの最適な使用方法を向上させることになるかもしれない。

 

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