仮想通貨取引所のコインチェック(東京・渋谷)は12日、ネム(NEM)の不正流出事件でネム保有者への補償を開始すると発表した。また一時停止していた仮想通貨の出金、売却もビットコインやイーサリアムなど6種類については再開すると発表した。

 ネムの補償額は1XEM(ネムの通貨単位)あたり88.549円。保有数を掛け合わせた額を返金する。日本時間2018年1月26日 23時59分59秒時点のネム保有者が対象だ。12日中に補償するという。

 また一時停止していた一部の仮想通貨の出金・売却についても、同日中に再開すると発表した。外部専門家の協力で技術的な安全性の確認が完了したためという。出金が再開されるのはビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)、イーサリアム(ETH)、イーサリアムクラシック(ETC)、リップル(XRP)、ライトコイン(LTC)の6種類。売却再開はBCHやETH、ETC、XRP、LTCの5種類(BTCは売却を停止していなかった)。なお購入や入金は対象外となる。

 引き続き一時停止している仮想通貨の出金・売却については、技術的な安全性などが確認でき次第、再開するとしている。またすべての仮想通貨の入金や購入、新規登録については「経営管理態勢及び内部管理態勢が整い次第再開してまいります」とコメントしている。

 コインチェックでは1月26日に5億2630万10XEMが流出した。情報セキュリティ企業5社の外部専門家に調査を依頼するなどした結果、外部の攻撃者がコインチェック従業員の端末にマルウェアを感染させ、コインチェックのネットワークに不正にアクセスし、ネムの秘密鍵を窃取した上で、外部の通信先にネムを不正送金した可能性が高いことが判明した。