マネックスグループは31日、2018年4~12月期決算を発表した。マネックス税引前利益は前年同期比40.7%減の32億円となった。傘下の仮想通貨交換業者コインチェックの赤字が減益要因の1つとなった。マネックスグループの松本大CEOは「クリプトアセット事業はまだ準備段階」と語り、仮想通貨・ブロックチェーンは今後の成長が期待できる分野だと強調した。
コインチェックの18年4~12月期の税引前利益は11億2700万円の赤字となった。営業収益はトレーディング収益などにより約18億円あったものの、内部管理態勢強化を進めたことで固定費を積み増す形となった。
コインチェックは昨年10月末から新規口座開設を再開し、今年1月11日に金融庁から仮想通貨交換業の登録取得を果たしたばかりだ。
松本氏は「(仮想通貨の)マーケットは静かな状況。収益が足りない中、内部管理態勢強化などで固定費を積み増した」と、今回の赤字について説明した。松本氏は「(仮想通貨相場の)環境は良くないが、本業の仮想通貨交換業に関してはまだこれからだ」と、コインチェックに期待を寄せる。
コインチェックの勝屋敏彦社長は1月11日の登録取得時の記者会見で、19年度には収支を均衡させ、黒字を達成する意向を示している。松本氏も「現在の売買高は極端に低い状況」とし、相場の環境が変わればコインチェックは一気に黒字化できると話した。31日夜に行われた個人投資家向け決算説明会の中で、松本氏は「取引高は1年前の1%程度にまで落ち込んでいる」とし、これが2~3%に戻っただけでも黒字化することはできると語った。
コインチェックの口座数は90万
今回の発表では、コインチェックの口座数も明らかになった。18年12月時点で本人確認済みの口座数は90万口座にのぼる。
マネックスグループ 決算説明資料より
松本氏は181万口座を持つマネックス証券と若年層中心のコインチェックとの間で、顧客基盤拡大のシナジー効果を生むのが「今後のテーマだ」と強調した。
ブロックチェーン技術活用へ ラボ新設
松本氏は、コインチェックの本業である交換業に注力するとともに、仮想通貨・ブロックチェーン技術を活用した新規ビジネスを展開する考えも示した。その一環としてブロックチェーン・ラボを新設、ブロックチェーン技術を活用したビジネスソリューションを日本企業に提案していくという。
「仮想通貨のトレーディング以外で、クリプト・ブロックチェーンの活用を視野に入れたい」
松本氏は、そのような活用事例の1つとして、マネックスの投資先である米企業のロイアル(Loyyal)をあげる。同社はエミレーツ航空のマイレージにブロックチェーン技術を活用する取り組みを進めている。
松本氏は「マイレージのようなロイヤルティーポイントの市場規模は世界で5兆ドルあると言われている」と指摘し、ブロックチェーン技術活用のポテンシャルは高いと話した。Loyyalについては、日本のリクルートが30日に同社への投資を発表している。
米国での仮想通貨事業は「7~8月」に
米国の子会社トレードステーションの仮想通貨事業については、当初の予定よりも若干の遅れが生じる。昨年12月の事業説明会では19年4~6月期にサービス開始を予定していたが、7~8月にずれるという。松本氏は個人投資家向け説明会の中で、この遅れは特別な要因によるものではなく、「当初6月めどだったものが7月にずれ込む程度のものだ」と話した。
トレードステーションへのコインチェックの技術活用については、将来的にあり得るとも語った。松本氏は、米国の仮想通貨業界の中では様々な専門業者が発達し、モジュール化が進んでいると指摘。トレードステーションでは米国で発達しているサービスや技術をパッケージ化することで、ビジネスを立ち上げるを示した。その結果、コインチェックの技術が必要となった場合にはトレードステーションに技術を活用する選択肢もあり得ると語った(逆に米国の技術をコインチェックに逆輸入可能性もあるという)。
また新規の仮想通貨レバレッジ取引については、顧客保護の体制を整備した上で開始するとした。開始時期については明言しなかった。
【追記】31日夜に行われた個人投資家向け決算説明会での発言を追記しました。
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— コインテレグラフ⚡仮想通貨ニュース (@JpCointelegraph) 2018年10月31日
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