米最大手の仮想通貨取引所コインベースは7日、ビットコインが今年5月の半減期に近づくにつれて、「デジタルゴールド」としての地位をさらに固めるとのブログを投稿した。
希少性が価値を生む
ブログでは、1971年のニクソン・ショックをきっかけに金本位制が終わりを迎えて以来、ドルの価値は低下し、金の価値はドルベースで4000%以上上昇したことを引用。金は入手することが他の金属よりも相対的に難しいことから希少性が高まり、価値が担保された。
そうした中で、ビットコインも金と同様に供給量が限られていることから同様の性質を持っていると指摘。ただし、デジタル通信によって転送できる点が金よりも優れているという。
さらにビットコインの価値が急激に増加していることにも触れた。2013年には、1ビットコインでわずか0.01オンスの金しか購入できなかったのに対し、7日の執筆時点では、1ビットコインは5.5オンス以上の金を購入できることを指摘した。
「金と比較しても、ビットコインの価値はこの10年間で大幅に増加している。」
半減期によって高まる希少性
ビットコインの価値が高まる中で、コインベースは「デジタルゴールド」としての性質が5月の半減期でさらに高まると指摘した。希少性がより高まるからだ。
ビットコインのマイニング報酬はかつて50BTCだったが、現在は2回の半減期を得て、12.5BTCまで引き下げられてきた。
今年5月に迎える半減期以降では、10分ごとにマイニングされる新しいブロックごとのマイニング報酬6.25BTCになる。供給量が年間で1.7%に減少する。
ビットコインの現在の流通量(ストック)と今後発行されるマイニング量(フロー)に基づいて適正価格を算出するストック・フロー比率によると、ビットコインの希少性は半減期後に金にさらに近づく。
コインベースは「金の流通量は全ての金属商品よりも高い。ビットコインは金のすぐ後に続いている」と指摘している。
(出典:medium.com/@100trillionUSD)
さらにビットコインがボラティリティが高いとする批判にも以下のように答えた。
「金と比較して、ビットコインは非常にボラティリティが高い。ただし、ビットコインのボラティリティは年々弱まっている。コインメトリックスによると、ビットコインの180日間の平均ボラティリティは2010年前半(2011–2015年)は6.4%だったのが、後半(2015–2020年)では3.7%に低下した。」
コインベースはブログで半減期について説明しながらも以下のように結論づけた。
「「過去10年間、ビットコインの金としての価値は、世界的な経済の不確実性の高まりの中で急激に上昇した。金やビットコインは、不当な通貨の切り下げからのセーフヘブンとみなされている。無数の技術的優位性、開発の加速、グローバル市場が成熟を武器に、ビットコインは、価値の保存手段として、デジタル時代の金に匹敵する」
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン