アメリカで仮想通貨取引所を運営するコインベースは13日、当局に納税申告書を提出する利用者のために申告ツールを公開した

 コインベースはブログ記事の中で、4月17日が期限となっている内国歳入庁(IRS)への申告書提出に先立ち、一部のユーザーは、このツールの申告書作成機能を使用して仮想通貨での利益による納税額を計算できると発表した。

 この動きは、同社とIRSとの間で長年続いてきた戦いを受けたものだIRSはコインベースがユーザーの税金逃れを手助けしているとの疑いを持ち、両者の間でデータアクセスをめぐる法廷闘争が続いてきた。

 先述のブログ記事では、「弊社では、これまでにデジタルアセットの購入・売却のみを行ってきたお客様に対し、先入先出法に基づく損益自動計算ツールを提供します」と発表され、他の計算法にも対応していることも書き添えられている。

 とはいえ、このツールを使えるコインベースユーザーの数は限られているかもしれない。

 このブログ記事では、同ツールによる取引履歴計算の対象外になる使用状況の一覧も紹介している。ICOに参加している、あるいは、別の取引所を利用しているだけでも、ツール使用の対象外となる。

 コインベースでは次のように明記している。

「この申告書は、コインベース以外での取引をしたことのないお客様に対してのみ正確なものとなりますのでご注意ください。以下に該当する方はこの申告書をお使いにならないでください」

  1.  デジタルアセットを他の取引所で購入、もしくは売却したことがある
  2.  デジタルアセットをコインベース以外のウォレットから送金、もしくは受領したことがある
  3.  デジタルアセットを別の取引所(GDAXを含む)から送金、もしくは受領したことがある
  4.  デジタルアセットを外部の保管デバイス(トレザー、レッジャーなど)に保管したことがある
  5.  ICOに参加したことがある
  6.  過去に先入先出法以外の手法を使ってデジタルアセット投資における損益決定計算を行ったことがある

 市場に向けて税額計算サービスを提供したのは、コインベースが初めてではない。17年8月には、米国で同業のスタートアップ企業、ノード40が計算ソフトウェアを公開した。当初、このソフトウェアは仮想通貨「ダッシュ」専用だったが、その後、ビットコインなど他の仮想通貨にも対象が拡大された。