仮想通貨(暗号資産)取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは23日、Appleが過去数年にわたり仮想通貨業界に対し、「非常に厳しく、敵対的」であると非難した

アームストロングCEOによると、Appleはユーザーが仮想通貨を学習することでお金を稼ぐことができるアプリ「Coinbase Earn」や分散型プロトコルを搭載した分散型アプリ(DApps)のブラウザを含む複数の機能をブロックしているとツイートした。

「Appleは長年にわたり仮想通貨業界に対して非常に厳しく、敵対的な態度をとってきた。彼らは今も複数の機能をブロックしている。これらにはタスクを完了することで仮想通貨を稼ぐ機能や、DAppsブラウザが含まれる」

CoinbaseとApple

コインベースは2019年12月、AppleのAppストアの利用規約を遵守するために、アプリからDAppsアプリブラウザ機能を削除しなければならないかもしれないとユーザーに通達した。

当時はAppleだけでなく、Googleのアンドロイドアプリストアの両者がDAppsを排除する方向で動いていた。

「おそらく他のウォレットも同じ対応を迫られるだろう(トラスト、アージェント、メタマスク)。コインベースだけの問題だけでなく、私の意見では、エコシステム全体に対するかなり大きな脅威だ」

Appleは仮想通貨の流れにはまだ参入しようとする気配は見えていないが、Apple Payの副社長を務めるジェニファー・ベイリー氏は2019年にCNNで、仮想通貨には「長期的な可能性がある」との見解を明らかにしている。

「我々は仮想通貨を面白いと思っている。長期的には可能性があると考えている」

Appleはエピックゲームスとの闘争真っ最中

Appleは現在、人気ゲームアプリ「フォートナイト」の運営会社であるエピックゲームスから訴訟を起こされている。フォートナイトがAppストアから削除されたことを受けてエピックゲームスが利用再開を求めているものだ。

Appleはフォートナイトがアプリ内購入を実装したアップデートをしたことが、利用規約に違反するとして削除。エピックゲームすは独占禁止法による訴訟を起こした。

これについてはこのほど、Appleが裁判所にフォートナイトをアプリストアでの利用再開を認めるべきではないと主張した。その理由としてエピックゲームス側が自社だけに「特別扱い」を求めてきたからだという。

Appleによると、エピックゲームスのティム・スウェーニーCEOが、アプリ内購入を避けてユーザーが直接エピックゲームスに支払える許可や、iPhone向けサードパーティストアの立ち上げ許可を求めたとしている。

スウェーニー氏はこれまで、「すべての開発者に平等な利益をもたらすような透明なプラットフォームと利用規約の変更」を求めていたが、Appleの反論から独自の関係構築を図ろうとしていたことが指摘されている。

ただ、これに対してはスウィーニー氏は、こうした要求をしたことは認めたものの、「こうしたあオプションが等しくすべてのiOS開発者に適用されることを望んだものだ」と主張している


翻訳・編集 コインテレグラフジャパン