仮想通貨取引所コインベースの最終損益は、2022年第1四半期に4億3000万ドルの赤字を記録した。最終赤字となったのは上場後で初めて。しかしブライアン・アームストロングCEOは決算説明会で「会社としてはこれほど強気になれるところはない」と述べている。
コインベースの第1四半期決算では、売上高が前年同期比27%減の11億7000万ドルとなった。また2021年第4四半期の売上高は25億ドルだったが、そこからは大きく後退している。月間取引ユーザーも前期の1140万人から20%近く減少し、920万人となった。
コインベースの株価は10日に16%超下落して73ドルで取引を終えていたが、その後の決算開示後の時間外取引でさらに下落し、記事執筆時点で61ドルとなっている。コインベースの株価は昨年11月以来、右肩下がりの状態が続いている。
しかしアームストロングCEOは決算説明会で今後について楽観視していると語っている。
「低迷期には、次のサイクルで私たちに利益をもたらしてくれるイノベーションの構築に集中できるという意味で、時には歓迎すべきことでもある」
アームストロング氏は、「他社が恐れているときにこそ貪欲に」人材を獲得し、将来のためのインフラやプロジェクトに注力すると語っている。
同氏は「幅広いマーケットで下落している。グロースハイテク株とリスク資産の下落を目の当たりにしている。コインベースと仮想通貨もその例外ではない」と語るが、仮想通貨企業として今までも様々な変動サイクルを生き延びていた経験があると主張している。
アームストロング氏は、プラットフォームのアクティブユーザーの54%が仮想通貨取引以外の活動をしている点にも触れた。どのような活動なのかは明らかにしなかったが、コインベースは最近新しいNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスを開設するなど、新しい分野に積極的に取り組んでいる。
NFTマーケットプレイスに満足しているかという質問について、アームストロング氏は「新しい取り組みに関する指標」は共有しなかったが、「NFT分野の機会は膨大である」と付け加えた。