米仮想通貨取引所コインベースは、自社の2031年優先債券をドル建て64.5セントで、最大1億5000万ドル分買い戻しを開始すると発表した。これは35.5%のディスカウント率だ。
8月7日の発表によると、このテンダーオファーは9月1日まで続き、通常の買取価格に加えて、ドル建てで3セントの早期プレミアムが上乗せされる。2031年の優先債券は、年利3.625%のクーポンレートで、総元本は10億ドルだ。
先月、同取引所は29%のディスカウントで6500万ドルの転換社債を償還した。仮想通貨の弱気市場が始まって以来、コインベースの債券は、返済能力に対する投資家の懸念を受け、額面価格を下回る価格で取引されている。
2022年5月に米証券取引委員会に提出した書類によると、コインベースはプラットフォームでユーザーが保有するデジタル資産は、破産手続きの際に「無担保債権者」として取り扱われる可能性があると警告した。FTXやセルシウスに関する以前の事例においても、無担保債権者は、優先債権者への返済が先に行われるため、預け入れた資産の全額を回収するのは難しいことが示されている。
Not your keys, not your crypto. This is from coinbase. pic.twitter.com/CaIzQBYQ38
— Richard Heart (@RichardHeartWin) May 11, 2022
また、取引所は未登録の証券取引所として運営しているとの告発を受け、SECからの訴訟に直面している。同社はこの訴訟の却下を求めている。
2023年第2四半期のレポートで、コインベースは長期債務として33億ドル、現金及び同等物として52億ドルを保有していると公表した。2023年の上半期には、運転資金のキャッシュフローとして6億1400万ドルを記録した。2022年の第2四半期と比較して、取引所への顧客の仮想通貨の預金は40%増加し、1242億ドルに達した。