暗号資産(仮想通貨)交換業者として7月7日に登録を取得したコイネージは、今週正式にサービスを開始した。コイネージの奥山泰全CEOは、29日にビットコイナー反省会に出演し、コイネージのサービスやビットコインの将来について語った。

まずはビットコインの魅力伝える

7月27日に正式にサービスを開始したコイネージでは、ビットコイン(BTC)の販売所サービスを提供している。

既に国内では複数の競合取引所が存在する。どのような差別化をしていくのか。奥山氏はビットコインをまずユーザーにしっかりと提供していく姿勢を強調した。そこには奥山氏のビットコインへの愛もあるという。

「ラインナップはもちろん大事であるが、ともすればラインナップ競争となってしまう傾向がある。一方で、なぜこんなにビットコインに魅了されるのかという意識が薄れてしまっている気もする。一番大事なのはビットコイン愛だ。暗号遺産の未来、ビットコインの未来があると思っている。なぜビットコインなのか、なぜ暗号資産なのかというのを追求していきたい」

奥山氏によれば、コイネージではビットコインの価値をユーザーに提供していく、その魅力を伝えていくことにまずは注力していく考えだという。

「コイネージは『ビットコインがわかっている』、『ビットコインフレンドリーだ』、『ビットコインへの愛がある』と思われる会社にならないと、やる意味がない。この愛をどうやってく伝えるか、どうやって日本全国に広げるかというのが僕らの使命だ」

もちろん将来的にはラインナップを増やすことも考えていくことになるという。コイネージの広報担当者は「ビットコインの提供を確立した後に、お客様にとって価値のあるアルトコインを慎重に検討・選別した上で今後取り扱いを拡大していく予定だ」と説明している。

社会的認知を得たビットコイン

奥山氏は、新型コロナウィルスの危機を経て、ビットコインが社会的認知を得るまでになったとも語っている。

奥山氏は、2月下旬から3月にかけて、急速にドルへの巻き戻しが起こった点に注目する。投資案件がリスクオフとなり、国債でさえドルに戻すという動きにり、3月中旬までに全てがドルに戻った。その後、安全な資産は何かとなった時、金とともに注目されたのがビットコインだ。

実際に、金は今週、史上最高値にまで上昇した。そしてビットコインは「一時40万円まで下落したが、時間をおかずして100万円まで戻った」(奥山氏)。

「ビットコインがおもちゃのようなものだとなれば、もっと叩き売られていたはずだし、100万円まで戻らなかっただろう。ビットコインがグローバルな安全資産として認められたことだと思う...コロナ相場の中でビットコインを安全資産として認識した人々がいるということだ。全資産の何割かをビットコインで持っておこうということで、100万円まで戻したのが、今のビットコインの価格形成だと思う」

さらに奥山氏は、ビットコインの値動きからも現在のビットコインは投機ではなく、実需によるものだと指摘している。

「これが投機であれば、すぐに崩れているはずだが、今は100万円のところで地固めしている。これは投機ではなく実需があるということだ。じり高をする中で、安全資産として人々が持つということが明確になってきている」

このような実需に支えられたビットコインは、かつての2017年のバブルのような形ではなく、じわじわと値上がりしていくのではないかと奥山氏は予測する。