仮想通貨とフィンテックのカンファレンスMoneyConfがアイルランド、ダブリンで開催された。
決済企業サークルのジェレミー・アレール共同創設者兼CEOはそこで、前例のない「仮想通貨革命」について語り、グローバル社会は「あらゆるもののトークン化の始まりにある」と述べた。
初期のインターネットがデータとコミュニケーションを変容させたように、ブロックチェーンも現在、金融のすべての側面に大変革をもたらし、公共サービスや行政府のイメージを改革する態勢にある。
「一旦オープンでグローバルな変更不可能の記録管理システム、取引処理システム、そして安全なコンピューター環境を手にしたら、金融...企業および商業法、契約の仲介、そして極めて重要なことに、(企業と行政での)意思決定に利用するすべてのシステムの、あらゆる側面を、国際的な規模で新たに構想することができる」
アレールCEOは、「あらゆる形の価値保管と公式の記録」が、自由に変動する市場価値を持ち、グローバルなデジタル取引所で取引可能な「仮想トークンとなる」ような、トークン化されたグローバル経済と社会のビジョンを説明した。
アレールCEOは、仮想通貨資産を用いて、「家、車、芸術をトークン化」し、あらゆる物理的資産を中心としてオープンでグローバルな金銭的関係を築くことができる、と述べた。
「すべての社会ガバナンスの形態における非公開もしくは公の投票のトークン化」は現在のモデルよりも透明性が高く説明責任がある変更不可能なシステムをもたらすだろう。
アレールCEOは、仮想通貨資産の5つのカテゴリーについて説明した。その1つ目は、政府の中央集権型のコントロールから金融活動を取り除き、インターネット上で「公共の利益」として機能する、プライバシーに焦点を当てた仮想通貨である。
いわゆる「仮想通貨証券」は、ルールを基にした金融契約として機能し、法廷で法律事務所によって調停される紙の契約を「はるかに超える」可能性がある。アレールCEOは、多くのイニシャル・コイン・オファリング(ICO)はこのカテゴリーに当てはまると、強調した。
アレールCEOは次に、リップル(XRP)やステラ(XLM)や、氏が「グローバル経済のためのオペレーティングシステム」と位置付けるイーサリアム(ETH)のような非常に野心的なブロックチェーンベースのプラットフォームのように、取引決済システムをサポートする仮想通貨資産について語った。
アレールCEOの仮想通貨資産の最後のカテゴリーは、金融契約を通貨建てにするために作られた法定通貨に裏付けられたステーブルコインであった。アレールCEOは、より変動しにくい価格ベースラインを必要とするが、それでもブロックチェーンの分散化とセキュリティーを求める使用事例の可能性を強調した。
サークルはつい先月、マイニングハードウェアメーカー、ビットメインが指導した、アメリカドルに裏付けられたステーブルコインの開発における連携のための1億1000万ドル(約121億円)の資金調達ラウンドを終了した。サークルのUSDCは、イーサリアムネットワークに基づいたERC20トークンになり、夏にはサークルによってリリースされると報道されている。今回の投資でサークルの評価額は、16年以降約6倍となる、およそ30億ドルに達した。