中国のオンライン小売最大手のJD.com(京東商城)は27日、自社が運営する「AI カタパルトブロックチェーンインキュベーションプログラム」のための最初の4つのスタートアップを公表した。

 プレスリリースによると、北京に拠点を置く同プログラムは、遠くはオーストラリアやイギリスからも候補者がおり、同社の広大な中国でのインフラを利用して、ブロックチェーンと人工知能(AI)の新しい活用法を目指している。

 JDはその計画を「革新的なブロックチェーンスタートアップと協力して、新しいビジネスを築き、彼らのテクノロジーの実社会での大規模な活用法を生み、それをテストする」ものと強調している。

 「JDはグローバルコマースにおいて、AIとブロックチェーンの可能性を探ることのできるユニークなポジションにある」と同社のAIプラットフォーム&研究部の周博文副代表は語っている。

 「私たちは、世界で最も革新的なスタートアップと協力し、小売やその他の業界の将来のために最先端のテクノロジーをスケールする方法を探求していくことにワクワクしている」。

 参加するスタートアップの中には、オーストラリアのブロックチェーンを利用したサービスのマーケットであるCanYaやイギリスの支払い&IDプラットフォームナゲッツが含まれる。

 AIカタパルトの開始は、JDのブロックチェーンへの進出を意味するだけでなく、中国国内市場でのブロックチェーンの最終的な活用を巡り拡大する競争をも象徴している。

 同様に中国のコングロマリットである騰訊と百度も、ブロックチェーン関連の取り組みに力を入れており、競争は激化していきそうだ。