イエール大学でコンピューターサイエンス科学の教授を務めるデイビット・ゲランター氏とゴールドマンサックスに19年間勤務するロブ・ローゼンタール氏が新たに始めたSNS「レボリューション・ポピュリ(Revolution Populi)」は、最近急騰している仮想通貨(暗号資産)チェインリンク(LINK)のデータオラクルを統合した。
レボリューション・ポピュリは、プライバシーを確保し、中央管理者が広告主にデータを販売するのではなく、個人がデータを共有したり販売したりするSNSとして開発し、フェイスブックに取って代わることを目指している注目のサービスだ。
ソーシャルネットワークを予言した未来人
データ主権をユーザーに返すというコンセプト自体は、仮想通貨やブロックチェーンで聞き馴染みのあるテーマだ。ただ、レボリューション・ポピュリが注目されるのはゲランター氏が始めたプロジェクトであることだ。
ゲランター氏は現実の都市や社会がデジタル化された世界「ミラーワールド」という書籍を出版し、言葉を広めた人物として知られる。
書籍の中でゲランター氏はソーシャルネットワークの普及を含むワールドワイドウェブの発展を予見した。ゲランター氏は著作などから注目を集め、1993年には「ユナボマー」として知られるテロリスト、セオドア・カジンスキーの標的となり、重傷を負った。
3本足の椅子の一つ
レボリューション・ポピュリのローゼンタール氏はコインテレグラフに対し、ソーシャルネットワークは自身らが築こうとしている「椅子」の3本の足のうちの一つにすぎないと説明。現在のデータが巨大ソーシャルメディア企業によって牛耳られていることを批判した。
「彼らに主権者の財産を奪われ、それを売却して、お金を保持されることは不愉快だ。しかし、結果的にはもっと大きな問題がそこにある。つまり、公共空間だ。彼らは公共空間で全てを支配している。我々のデータは彼らのプライベート・データベースに存在している。私たちは3本足のスツールアプローチと呼ぶ解決策を持っている。これは単なるソーシャルネットワークではない。エコシステムだ」
ローゼンタール氏によると他の2本の足は分散型自立組織(DAO)として構造化される分散型データベース、3本目の足はデータ交換の市場だ。
同社は「椅子」の屋台骨となる独自のブロックチェーンを近日中にも発表するとしている。
チェインリンクとの統合
ローゼンタール氏はチェインリンクの統合はオラクルプロバイダーの視野を広げるのに役立つと考えている。
「私は、チェインリンクは不公平にもDeFiの世界でも類型化されていると捉えている。彼らの技術は、我々のような、より広範なベースかつエコシステムベースのプロジェクトで広めることができる。彼らと話をしてきたが、今回の統合にかなり興奮しているだろう」
レボリューション・ポピュリは今年の第四四半期にICOを実施する予定だ。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン