ブロックチェーン上の不正取引を追跡するチェイナリシスが16日、イーサリアムのクジラ(一部の大口投資家)がイーサリアム価格に与える影響はほとんどないというリポートを発表した。ビットコインやイーサリアムの価格を巡っては、しばしばクジラが動かしていると見られてきた。

チェイナリシスは、クジラをトップ500のイーサリアム(ETH)保有者と定義。そのうち「個人のクジラ」は376で、全体に占める彼らの保有量の割合は2019年5月1日時点で33%と、2016年の47%から大幅に減少していると指摘した。

(出典:Chainalysis「クジラの保有量(オレンジ)とクジラの取引数の割合(紺)」)

チェイナリシスとによると、クジラ達は常にイーサリアム供給量の25%~40%を持っているものの取引高の5%~18%しか影響を与えていない。ほとんどのクジラが「資産を持ち続けているか、交換所と定期的にトレードしていない」可能性があるという。

また、チェイナリシスは、統計モデルを使って2016年~2019年の間にクジラが価格に与えた影響を分析。日々のボラティリティ(変動率)には影響を与えるものの、価格に直接的に影響を与えていないと結論づけた。