ブロックチェーンベースのメディア系スタートアップ、ポーエット(Po.et)のジャーロッド・ディッカーCEOは同社を去り、米有力紙ワシントンポストのテクノロジー担当の幹部に就任した。ワシントンポストが24日に発表した。大手メディアでのブロックチェーン技術活用につながる可能性もある。

ディッカー氏はワシントンポストで商業技術と開発担当の副社長に就任した。もともとディッカー氏はワシントンポストの出身で、ポーエットCEOに就任する前はワシントンポストのイノベーション担当の副社長として、同社の研究や技術開発を統括していた。また以前には、米誌タイムやハフィントンポストなどで技術チームを率いてきた実績を持つ。

ポーエットはブロックチェーン技術を活用し、デジタルメディア業界向けにコンテンツの所有権管理、収益化のための分散型プロトコルを手掛けていた。ポーエットの公式ブログによれば、ディッカー氏の後任には、同社のプロダクト責任者であるデビッド・ターナー氏が就任する。

ワシントンポストは2013年にアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が買収。オンライン化加速やモバイル対応をはじめ、メディアとテクノロジーの組み合わせたビジネスモデル構築に注力している。

ディッカー氏はワシントンポストにおいて、最高情報責任者(CIO)や最高リスク責任者(CRO)のもとで、「広告、サブスクリプション、およびテクノロジーにわたる革新的なソリューションを開発すること」を担う。ポーエットでのトークンエコノミーやブロックチェーンを用いたコンテンツ管理のノウハウがワシントンポストで活用されることになるかもしれない。

メディアのコンテンツ管理にブロックチェーンを活用する事例は、ポーエット以外も進めている。アルゼンチンのNEM財団は、著作権保護のためブロックチェーンを用いたソリューション開発でアルゼンチンのジャーナリスト団体と提携した。

日本でも毎日新聞がブロックチェーンラボを発足し、ジャーナリズムへのブロックチェーン技術に関する研究・開発を開始している。