破産した仮想通貨貸出企業セルシウスは、顧客に対して提案された和解案についての投票用紙を送付することになる。

同社を巡る和解案では、ファーレンハイトというコンソーシアムがセルシウスの資産を買収し、新会社を設立する。その新会社がセルシウスの資産と新会社の持ち株を顧客に分配する予定だ。

ニューヨーク南部地区破産裁判所のマーチン・グレン判事は、セルシウスの顧客が和解案について投票することを認めた。この和解案では、セルシウスの「Earn」プログラムの参加者への返金と、セルシウスの経営陣による詐欺や虚偽表示を巡る損害を賠償するために、顧客の回収額を5%増加させる。

ブルームバーグによれば、資産の分配額は約20億ドルとなる見込みだ。さらに、グレン判事はセルシウスに対して、和解内容の「平易な語」での説明と、仮想通貨の変動性やセルシウスのマイニング業務が直面する可能性のある課題に関する資料の提供を指示した。

顧客は和解に参加しないためには、明示的にその意向を示さなければならない。セルシウスの弁護士クリス・ケーニッグ氏はブルームバーグに対し、支払いが年内に開始される可能性があると語った。

この計画が承認された場合でも、裁判所の承認が必要となるが、これは10月にも下される可能性がある。

ファーレンハイトは5月25日にセルシウスの資産のオークションで落札した。そのオファーの一部として、コンソーシアムの一員であるUSビットコインコープが新たに100メガワットの仮想通貨マイニングプラントを建設するという約束が含まれていた。

セルシウスは2022年6月13日にテラエコシステムの崩壊を受けて出金を停止し、同年7月に破産を申請した。それ以降、元CEOのアレックス・マシンスキー氏は詐欺の容疑で逮捕された。先月、米証券取引委員会はマシンスキー氏と他のセルシウスの役員に対して訴訟を提起し、米国連邦取引委員会は同社に対して47億ドルの罰金を科した

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン