昨年12月10日までの間に仮想通貨価格が大きく持ち直した。多くの人の見方は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)がビットコイン先物を手掛けるというニュースが材料となったというものだ。

 伝統的な取引所がビットコインを扱うことで、仮想通貨の世界と伝統的な取引所の融合として評価された。今では、ウォール街の人々が彼らになじみある商品を通してビットコインの投資に参加できる。

 先物取引が始まって数ヶ月が経ち、CBOEでこの商品がどうなっているのかを知るには良いタイミングだろう。

 CBOE商品開発部長のデニス・オカラハン氏は、ベネチアで開かれたクオンツ・カンファレンスでコインテレグラフに対し、同取引所で先物取引が始まってから数ヶ月たった、今の状況について語ってくれた。

コインテレグラフ(CT):今回は時間を取ってくれてありがとうございます。まず始めに、なぜCBOEが将来性のある商品としてビットコイン先物を選んだのか話してくれますか?

デニス・オカラハン(DO):私はCBOEの商品部に属している。だから会社における私の役目は、商品を開発し、それを市場で取引できるようにすることだ。我々は、仮想通貨を含めたあらゆる分野をモニターしている。14年前後から仮想通貨には興味を持っていて、どのようにこのマーケットと関われるのか探っていた。ブロックチェーン技術と仮想通貨の両方を注視していたから、長い間追いかけていたことになる。上手い方法はなかなかの見つからなかったが、昨年3月に今のやり方を見つけた。まだまだ発展途上だ。

CT:昨年の12月にビットコイン先物を発行したのはあなたがただけではなかったわけですが、一番に行ったのはあなた方でした。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)と同時期に立ち上げたのはどうしてなのか、また彼らの商品についても知っていたのですか?

DO:私たちは規制当局である米商品先物取引委員会(CFTC)とは17年5月ごろから話し合いを始めた。だから割と前に、このプロジェクトは始まっていた。8月には私たちがこのマーケットに参入することを発表し、その時には私たち以外にこのマーケットに入ろうとしている取引所がいるなんて知らなかった。だからCMEがこの分野に注目していると知るずっと前から、私たちは独自にこの商品を開発していた。これだけ長い期間準備してきたのだから、私たちがこのマーケットへの最初の参入者だろう。私たちは商品の現状に満足している。もちろん競合があることは認識しているが、それでも商品デザインについては満足だ。

規制の地雷原への対応

CT:仮想通貨を巡っては「規制だらけの地雷原」ということがしばしば語られますが、それを完全に回避しながら商品をマーケットに出すのにどのような障害を乗り越えたのでしょうか?

DD:CFTCが望んでいたことは私たちと同じだった。それは公平で秩序の取れたマーケットであり、市場操作や面倒ごとのないマーケットだ。彼らは私たちに非常に良い、鋭い質問をし、いくつかの点では異議を唱え、私たちはそれに答えていった。それは時間のかかることではあったが、彼らのマーケットについての深い知識を有している。報告後すぐに発売できるほとんどの商品と比べれば、これにはおそらくもっと時間を取られただろう。実際、この商品の発売を決定する前に、私たちは彼らを訪ねた上で、彼らからの同意を確認した。

CT:先物の発売に至るまで膨大な数の宣伝が流れたわけですが、その宣伝と実際の商品が合致しているのか。また商品に満足しているのか、この商品が成功だったと言えますか?

DO:非常に多くのところから関心を持ってもらっている。特にリテイルを取り扱ってる企業からだ。一日およそ7000件の契約があり、その進展具合に満足してる。順調な滑り出しを喜んでいる。

 私たちの目標は、この商品がユーザーにできるだけ手に届きやすいものにすることだ。そのための努力を続けていきたい。

ほかの仮想通貨にも注視

CT:商品開発部長として、仮想通貨マーケットやほかの金融商品で注視しているものはなにか。CBOEが注目していることで、何か面白いものはありますか?

DO:商品開発部としての私たちの役割は、いつも新しい商品を探すことだ。だから定期的にマーケットをチェックし、他の仮想通貨も含めたあらゆる商品を評価している。私たちはビットコインのマーケットをずっと見てきた。ほかの他のマーケットについても、他の仮想通貨が必要になった場合に備え、インフラやその他すべてことについて目を光らせている。