ビットコイン(BTC)のブロック報酬が半減となる半減期まで残り数日と迫っている。多くのアナリストは、半減期イベントが仮想通貨(暗号資産)市場とマイニングコミュニティにどのような意味があるのかを検討し始めている。

コインテレグラフは3人のアナリストにコンタクトを取り、半減期が「健全なリバランス」となる可能性が高いのか、それともハッシュパワーの他のチェーンへの移行や手数料上昇のきっかけになるのか、アナリストらの見解を聞いた。

ネットワークは短期的に混乱か

トークンアナリストのチーフアナリストであるジョンソン・シュー氏は、半減期がマイナーに大きな影響を与えると予測している。

「S9などの古い世代を使っているマイナーの大部分はわずかの期間で閉鎖することにあるだろう。半減期後の数か月でネットワークから完全にフェードアウトするだろう」と、シュー氏は指摘している。

「ビットコインが半減期を迎えれば、ネットワークは短期的に混乱するだろうが、難易度調整が開始され、平衡状態に自動調整されれば、ビットコインネットワークはすぐに安定したポジションに戻るだろう。半減期は長期的には業界にとってポジティブだ」

「ビットコインの半減期は、マイナーが十分マージンを確保できる効率的なネットワークに再調整され、健全なリバランスとなる」と、シュー氏は結論付けた。

ほかのチェーンに移行?

一方、ビットコインSV(BSV)に焦点を合わせた投資会社Unbounded Capitalのマネージングパートナーであるザック・レズニック氏は、半減期になるとマイニングオペレーションが混乱することに同意する。同氏は、その混乱が健全なリバランスになるとは限らないと予測している。

レズニック氏は、半減期になればBTCマイナーに大混乱をもたらし、ハッシュパワーをBSVやビットコインキャッシュ(BCH)などのライバルのチェーンに移行させ、価格に大きな損失をもたらすと主張している。

「半減期になれば、多くのマイナーは採算が取れなくなり、一部はBCHやBSVのマイニングに移行する可能性がある」と、レズニック氏は語る。

「マイナーがBTCネットワークから外れると、ブロック生成時間が長くなる。価格が下がれば、より多くのマイナーがネットワークから外れることになるだろう」と述べる。

「トランザクション量が増えれば、ブロック生成時間が長くなるため、ブロックスペースが不足し、手数料が異常に高いレベルにまで急上昇する可能性がある。高額な手数料によって、価格が下がり続け、ブロック生成時間が長くなり、さらに手数料が上昇する可能性がある」

「価格が上昇する根本的な理由があるとは考えられないため、価格が高騰するのを待っている投機家は、価格が停滞してしまえば、態度を変えていき、価格が急落し始めれば売り出す可能性が高いと考えている」と述べている。

「多くのマイナーはまた、高度にレバレッジをかけており、価格の急騰が差し迫っていると彼らがもはや信じなくなってしまえば、エグジットを前倒しするかもしれない」と、付け加えた。

半減期後に価格は上がるのか?

対照的に、NEMベンチャーズのトレーディング責任者であるニコラス・ペレカノス氏は、半減期が迎えたことは「歴史的にビットコインの最も強力な強気の動きの始まりを示している」と述べた。

ただし、ペレカノス氏は、ブロック報酬の半減は通常、ハッシュパワーの急落と並び「短期的な売り」を引き起こすと指摘している。

「2012年の半減期直後に10%の下落が続いた。2016年には38%の急落に見舞われた。2つの半減期の後、ハッシュレートは約50日間にわたり低下していった」

ペレカノス氏は、マイナーへの混乱は一時的なものである可能性があると予測しており、「歴史が繰り返され、半減期後にビットコインが下落した場合、高コストのマイナーはビットコインが持続可能な価格に到達するまでリグを閉鎖しなければならない可能性がある」と、述べている。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン