保釈中の身でありながら、日本からレバノンに逃亡した元日産会長のカルロス・ゴーン氏。ゴーン氏が逃亡を決断するきっかけの1つになったのは、日本で発生したマウントゴックス事件だった。ニューヨークタイムズが3日に報じた。

NYタイムズによれば、ゴーン氏は昨年8月に米国出身のジャーナリスト、ジェイク・エーデルスタイン氏に面会。エーデルスタイン氏は日本在住で、仮想通貨取引所マウントゴックス(Mt.Gox)のマルク・カルプレス氏に関する本も出版している。

エーデルスタイン氏自身も、デイリービーストに寄稿した記事の中で、自身がゴーン氏と面会した様子を記している。

それによれば、東京のグラウンドハイアットのレストランで2人は面会。ゴーン氏はマウントゴックス事件について関心を持ち、カルプレス氏の裁判と自分の事件との類似点を探していたという。

カルプレス氏のケースでは、検察は業務上横領罪などで懲役10年を求刑。19年3月に東京地裁は、懲役2年6ヶ月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した

NYタイムズによれば、エーデルスタイン氏は、ゴーン氏に対して「ベストシナリオならば、あなたは執行猶予判決を受けるだろう」と述べ、さらに最悪の場合には65歳のゴーン氏が残りの人生すべてを日本で過ごすことになるかもしれないと警告した。

エーデルスタイン氏は、自身の記事の中で次のようにまとめている。

「次の10年を照明が決して消えない小さな畳の部屋の中で過ごすか(週に何回かは運動することができるが)、ベイルートでワイナリーにもすぐにアクセスできる自宅で過ごすか。多くの人は後者の方を選ぶだろうと思う」