カナダの中央銀行がデジタル通貨発行に向けて研究を進めている。フィナンシャル・ポストが入手した内部文書から明らかになった。カナダの中央銀行は仮想通貨によって”最後の貸し手”としての中央銀行の役割が脅かされるかもしれないと危機感を抱いている。
デジタル通貨発行に関するプレゼンテーションは、カナダ中央銀行のポロズ総裁と幹部に向けて行われた。
デジタル通貨発行は2年計画。デジタル通貨は、中央銀行が裏付けする資産の「全ての恩恵」と「電子決済の利便性とセキュリティの全て」を提供する。
また、プレゼンテーションは、仮想通貨に対する危機感にも言及した。
「仮想通貨は、金融政策を実行し最後の貸し手(LOLR)の担い手である我々の能力に対する直接的な脅威になるかもしれない」
フェイスブックのリブラに対抗して中国の人民銀行が独自デジタル通貨の開発を急速に進めている。
米議会の反対などでリブラの計画が遅れれば、中国のデジタル人民元が新興国市場を牛耳ることになるという見方も出ている。
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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版