イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は、イーサリアム財団の運営方針に大幅な変更を加えると発表した。これにより、技術的専門性を強調し、財団とイーサリアムエコシステム内の開発者とのコミュニケーションを改善することを目指すという。
ブテリン氏は1月18日のX投稿で、分散型アプリケーション開発者の支援、分散化、検閲耐性、プライバシーの推進を含む複数の目標を掲げた。また、イーサリアム財団は政治的ロビー活動やイデオロギーの転換、エコシステム開発における中心的役割を担うことはしないとした。
今回の運営方針の変更は、2024年の財団の支出、ロードマップ目標などがイーサリアムコミュニティから批判を受けた困難な年を経て行われるものだ。
2024年のイーサリアムコミュニティ
イーサリアム財団は2024年5月、同財団の著名な研究者数名がアイゲンレイヤー財団で有償のアドバイザリー業務を引き受けたことを受け、利益相反ポリシーを制定した。
イーサリアム財団で長年研究に携わってきたジャスティン・ドレイク氏は、2024年5月にアイゲンレイヤー財団での顧問に就任し、ダンクラッド・ファイスト氏も続いた。当時、ドレイク氏は再ステーキングから生じる潜在的な問題を探求していると語った。ドレイク氏は2024年11月に顧問を辞任し、イーサリアムコミュニティに謝罪した。今後、アドバイザリー業務やエンジェル投資などのポジションを受け入れないと約束した。
2024年3月にデンクンアップグレードがリリースされた後、イーサリアムのレイヤー2ネットワークの取引手数料は最大99%減少した。この劇的なレイヤー2手数料の削減により、イーサリアムレイヤー2ネットワークの数が急増した。L2ビートによれば、現在55のイーサリアムレイヤー2ロールアップが存在する。
レイヤー2ネットワークの急増は市場参加者からの反発を招き、イーサリアムレイヤー2ネットワークがベースレイヤーの収益を食い尽くしているとの懸念が示された。トークンターミナルのデータによれば、2024年夏にはイーサリアムベースレイヤーのネットワーク収益が99%減少したが、年末までにデンクン前の水準に回復した。