米国で75ベーシスポイント(0.75%)の利上げが発表されて以来、仮想通貨市場は反発しているが、専門家は市場が当初より悪い事態を覚悟していたのではないかと説明している。

7月27日、ビットコイン(BTC)の価格は、米連邦公開市場委員会(FOMC)が金利を再び引き上げることを決定したことを受けて約8%急騰し、記事執筆時点で22,500ドル半ばにまで達した。他の多くの仮想通貨も同様に価格が急騰し、イーサ(ETH)、ポルカドット(DOT)、ポリゴン(MATIC)はすべて過去24時間に2桁の上昇を記録した。

Quantum Economicsの創設者兼CEOのマティ・グリーンスパン氏はツイッター、これが「強気の利上げなのか」と冗談交じりにコメントしている。

グリーンスパン氏はコインテレグラフとのインタビューで、投資家は明らかにもっと悪い事態を予想していたと指摘し、この最新の反発は異常なものではないとの見方を示した。

「市場はたとえその決定が厳しいものであっても、FRBの日に上昇するのが好きだ。パウエルは特に悪い知らせを伝えることに長けている。明らかに投資家はもっと悪いことを期待していた」

金利を引き上げてインフレを抑制しようとするFRBの試みは、通常、市場全体の投資活動の後退に結び付くと考えられている。

しかし、直近の上昇を維持するのに十分な勢いがあるか、あるいは市場が完全に回復し始める前に大幅な揺り戻しが控えているかについては、コミュニティーの中で意見が分かれている。

オーストラリアの仮想通貨取引所Swyftxのアナリスト、パブ・ハンダル氏はコインテレグラフに対し、基礎となるマクロ経済の展望がまだはっきりしないため、「昨日の利上げに対する熱狂的な反応に驚いた」と語っている。

「今後どうなるかについて、最も重要なのが基礎となる経済データだ。少なくとも現時点では、ガソリン価格低下し、トウモロコシや小麦などの主食の先物価格や一部の輸送コストも下落しており、インフレ圧力が緩和されているように見える」

ハンダル氏は、今回の利上げを受けてSwyftxの取引が100%増加したことを指摘し、「現在の市場価格に価値を見出す人がたくさんいることが明らかになった」と付け加えている。

ハンダル氏は、米国が今後数日以内に国内総生産(GDP)の実績に関する重要なデータを発表するまで、より広い文脈でのトレンドが明らかになることはないだろうと強調した。

「良いニュースは、最初のボラティリティが無くなったときに仮想通貨市場に何が起こるかを見るために、我々はあまり長く待つ必要はないだろうということだ。米国はGDPデータを発表しようとしており、それは大きなストレステストになりそうだ。ここでネガティブな市場心理になれば、最近の利益を帳消しにする恐れがある」

しかし、マクロの状況が回復の兆しを見せ始めれば、仮想通貨の時価総額が1兆米ドル地点で安定し、そこから上昇するのを見ることができるだろう」と付け加えた。