ブラジル政府が国民からの請願書の受付をイーサリアム上で行うことを検討していることがわかった。ブラジル国会の立法顧問リカルド・フェルナンデス・パイソー氏とエヴァトン・フラガ教授が主導する試みで、不正がまん延するブラジルの立法制度をクリーンにするねらいがある。米情報サイトQz.comのジューン・イアン・ウォン記者が伝えた

 計画によると、同システムはスマートコントラクトを使用し、分散型アプリのように作動。暗号化された請願書や票をイーサリアム上に恒久的に記録し改変できなくする。選挙システムそのものが票にあたるトークンを発行し分散型アプリとなるイメージだ。

 ブラジル大学法学部のヘンリク・コスタ教授によると、署名された票を恒久的に記録するプラットフォームの欠如がこれまで問題になってきたという。「請願制度は存在しているが、(国会に法案を提出するのに必要な)有権者の1%から署名を集める仕組みがなく、制度が形骸化している」。また、請願を提出するには議員による支援を取り付けなくてはならず、結果的に請願が国会で審議される確率は低かった。

 現在、ブラジル政府はイーサリアムを基盤としたモバイル上のアプリで請願を提出できる仕組みを検討している。同様に選挙もイーサリアムとモバイル上で運営できるはずという。

 同計画を主導するフラガ教授によると、「(もし実施されれば)民主主義の勝利となる。現在実施されていない憲法に定められたことを実現することになる」。