ボクシングのメジャー世界タイトル6階級制覇王者という経歴で知られる、フィリピンのマニー・パッキャオ上院議員が、仮想通貨「PAC(パック)」のIEO(イニシャル・エクスチェンジ・オファリング)を11月12~14日(それぞれ現地時間21時~23時59分の3時間)に実施する。シンガポール拠点の仮想通貨取引所GCOX(グローバル・クリプト・オファリング・エクスチェンジ)が明らかにした。
2017年設立のGCOXは、著名人の名を冠した独自仮想通貨(セレブリティトークン)を発行するサービスを展開しており、PACはそのひとつとして2019年9月に発表された。主な目的は、現在WBA世界ウェルター級スーパー王者でもあるパッキャオ上院議員が行う慈善事業やチャリティーにからむ商品購入、同議員とのSNS上のコミュニケーション促進とされている。
またPACは、イングランドのサッカー選手マイケル・オーウェン氏やアブダビ首長家のシーク・カリッド・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン氏といった個人投資家から援助を受けたという。
IEOは、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)のような仮想通貨を用いた資金調達方法の一種。ICOのように出資者が開発者に直接的な資金供給を行うのではなく、仮想通貨取引所が仲介するため、出資希望者はその取引所の口座を開設する必要がある。またGCOXの場合は、同取引所ネイティブトークンのACM(アクレイム/ACCLAIM)を発行しており、セレブリティトークンを購入する際に必要となる。
PACトークンは、どのように機能するのか?
コインテレグラフからの問い合わせに対して、パッキャオ上院議員は、PACは、ブロックチェーン基盤の多くの仮想通貨と同様に機能し、さまざまな用途があると答えた。
「PACは、複数の用途を想定しており、世界中のファンに手を差し伸べるためにも使用できる」
またこのPACにより、政治家やスポーツなどのスターとファンは、独自アプリ「Acclaim! ソーシャル・アップ」を使って交流できるよう設計されている。ファンであるユーザーは、サイン入り商品、パッキャオ上院議員との交流イベント用無料チケット、ライブ動画、動画メッセージなどに交換できるポイントを受け取れるという。
GCOXのジェフリー・リンCEOは、コインテレグラフに次のように明かした。
「PACは、ブロックチェーン技術とファンカルチャーを組み合わせた資産であり、パッキャオ上院議員支持者の献身的な支持を表している」
さらにリンCEOは、パッキャオ上院議員との交流において、限られたメンバーだけの「体験」を提供するため、PACが作成されたと述べた。
ただし、パッキャオ上院議員は従来同様に他SNSでも活動を行うため、PACを保持していないファンが同議員とやり取りできなくなるわけではないという。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン