2013年、数人のソフトウェア開発者の間でのプライベートなジョークとして、犬をモチーフにした仮想通貨が発表された。それは実害のない遊びとして始まった。その後ドージコイン(DOGE)が時価総額で130億ドルを超える規模に成長した事実は、多くの投資家にとって理解しがたいが、このトークンは定着しつつある。しかし、DOGEがインスピレーションを与えたセクターは、進化を必要とする業界にとって脅威となりつつある。
ミームコインは危険だ。多くの投資家が資金を失う危険があり、仮想通貨業界全体の信頼を損なう危険があり、所有権が非常に集中しているという点でも危険だ。そして急速に増殖していることでも危険である。
12月13日現在、およそ1300種類のミームコインが流通しており、その時価総額は約220億ドルにも上る。しかし、コインマーケットキャップのミームコインセクターを詳しく見ると、そのリストの中には全く価値のないコインが含まれている。
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これは、多くのミームコインが露骨な詐欺であるためだ。一般的に、投機家の寝室で作られたこれらのトークンは、ソーシャルメディアと仮想通貨の関係を利用して、人々のお金を奪うことを目的としている。「イカゲーム」トークンでは338万ドルが持ち去られたし、バークシャー・ハサウェイの元副会長チャーリー・マンガー氏や元国務長官ヘンリー・キッシンジャー氏の死を利用したコインなども、週末にポンプ&ダンプされ、数百万ドルが失われた。
シバイヌ(SHIBA)、ペペ(PEPE)、ボンク(BONK)などのプロジェクトは、露骨な詐欺とは思えない。例えばBONKは、ソラナ(SOL)エコシステムが好材料を必要としていた時期に登場し、かなりの注目を集めている。しかし、これらのコインに投資した人々は依然として損失を被っている。PEPEは5月の1週間で62%も下落し、回復していない。
また、8月にはボールド(BALD)の劇的な上昇と下落があった。コインベースの新しいレイヤー2ブロックチェーン、ベース上で構築されたミームコインであるBALDは、日曜の朝にローンチされ、その日の夜までに時価総額で8500万ドルに達した。しかし、月曜日にはリードデベロッパーが流動性を引き上げ、トークンの価格は約90%急落した。
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ミームコインは、最悪の場合、金融ハンガーゲームの一種となり、何の実用性もない。ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)のような本物の仮想通貨とは構造や用途がまったく異なる。しかし、メディアは無数の煽情的的な見出しを流すのを止めない。
仮想通貨全体はクジラの問題を抱えているが、ミームコインは特に集中が激しい。ミームコインは基本的に非常に安価であるため、大口投資家は巨額の資金を保有し、一回の取引で市場を動かすことができる。イーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏が67億ドル相当のSHIBをバーンしたことは、流通供給量の半分を減らし、市場操作に関する深刻な問題を提起した。
つまり、ミームコインはますます笑い事ではなくなっている。かつてはイーロン・マスクと犬系コインの関係で笑うことができたが、この惨事の規模が拡大し、損失が増加している。しかし、これはミームコインを完全に禁止すべきだという意味ではない。ミームコインには仮想通貨の世界において一定の居場所がある。
現実世界と同様に、仮想通貨のユーザーも自分のお金をギャンブルに使う自由がある。規制当局は金融業界を非難することを好むが、誰でも自宅を抵抗にして競馬に賭けることを許可している。お金を使う方法としてこれを選ぶのなら、それは自由だ。
しかし、間違いなく、ミームコインは純粋なギャンブルだ。投資ではなく、価値も実用性もない。マスコミからネガティブな注目を集め、私たち全員を悪く見せる。ミームコインで何百万ドルも稼ぐ幸運な人間が1人いる一方で、残りの9人が損失を被る。いつかDOGEで月に行くかもしれないが、それは私たちの財布ではなく、イーロンのロケットでのことだろう。
本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自分でリサーチを行って決定してください。