この記事は、2020年6月1日に公開された記事を再編集しています。

ブルームバーグは「仮想通貨展望」の最新レポートを発表し、2020年に仮想通貨(暗号資産)ビットコイン(BTC)が2万ドルの過去最高値を回復するだろうと予想した。

ビットコイン信託のプレミアムに注目

ブルームバーグは、新型コロナウイルスによる経済危機によってビットコインの資産としての成熟度が高まったと指摘。機関投資家からの需要が増えているほか、米仮想通貨投資会社グレイスケールのビットコイン信託(GBDC)が新たなにマイニングされたビットコイン25%を保有していると指摘。昨年の10%未満から大きく飛躍していることを伝えた。

また、GBTC1株当たりに払うプレミアムが下落していることにも注目。2018年にビットコインが底値をつけた時と同じような水準で推移していると指摘し、今後の強気相場開始を予想した。

(出典:Bloomberg 「GBDCのプレミアム(白)とビットコイン価格(オレンジ)」)

「資金流入が続いているにも関わらずGBTCのプレミアムが下落していることは、市場の成熟化を示している。30日の平均で見ると、20%のプレミアムは歴史的な中央値である39%と比べてかなり低い」

その上でブルームバーグは、ビットコイン価格上昇しなければおかしいと主張。2017年につけた2万ドルに近づき、さらに2万8000ドルを目指すかもしれないと予測した。

テザーとの関係にも注目

(出典: Bloomberg「ビットコインとUSDTの相関関係」)

ブルームバーグは、米ドルと連動するステーブルコインであるテザー(USDT)が成長していることもビットコインにとって追い風とみている。テザーの時価総額は去年5月は40億ドル(約4280億円)だったが、今年は100億ドル(約1兆700億円)に到達。仮想通貨の普及にとって好材料とみている。

「デジタル版の米ドルへの興味の高さは、仲介者なしで世界の準備通貨で価値を保存して取引する必要性を示している」

金の価格上昇がビットコインを押し上げる

ブルームバーグはGBTCやテザーに次いで、金(ゴールド)相場の動きがビットコイン価格を押し上げると見ている。

金のスポット価格が1オンス1700ドルの重要なレジスタンスを超えて上昇していることを重要視。新型コロナウイルスなどの影響で安全資産としての需要増が今後も続き、価格上昇につながるとした。

こうした金の価格上昇が相関関係が高まっているビットコインの追い風になっているとし、金融政策によって株式市場がプラスになれば金とビットコインは大きく上昇すると予想した。

「ビットコインと金との52週間の相関関係とベータ値が過去最高を記録していることや、世界各国の中央銀行の量的緩和によって、ビットコインは金と同様に上昇を続けるだろう。」と主張。特に金は8年ぶりの高値に向けて上昇を続けており、「デジタルゴールド」となりつつあるビットコインにも影響が波及。金が下落しない限り、ビットコインは最高値に向けて上昇するだろうと指摘した。

 

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン