南米拠点のスタートアップがベネズエラで、ブロックストリーム社の衛星ネットワークに接続された初めての仮想通貨(暗号資産)ビットコインノードが立ち上がった。

スタートアップのクリプトバイヤー(Cryptobuyer)が公開した25日のブログ記事によると、このノードの立ち上げによってローカルのインターネット接続に依存せずに、ベネズエラのユーザーはビットコインのブロックチェーンを更新できるようになるという。クリプトバイヤーは主に財政面とバックアップ業務を担当し、仮想通貨の教育プログラムを開発するアニバルクリプト(Anibal Cripto)がノードをデプロイした。

アニバルクリプトでCEOを務めるアニバル・ガリド氏は、「ローカルのインターネットインフラに依存せずに、24時間365日いつでも利用可能なデジタルマネーシステムを持つことは、今や現実のものとなっている。」と今回の事業について話した。さらに「今回の開発によって、サイファーパンク・テクノロジーの基礎となっているプライバシーと分散化の原則を侵害する、インターネットサービスプロバイダなどを利用する必要がなくなった。」と意義を強調した。

クリプトバイヤーCEOのジョージ・ファリアス氏によると、ベネズエラにおけるノードの追加は「現実世界の問題を解決する、リアルで目に見えるプロダクト」を提供するものだという。2017年時点でベネズエラのインターネット速度は2.8Mbpsと世界でも最も遅いものだった。このため、インターネットに依存しないビットコイン取引を提供することは同国の仮想通貨ユーザーにとって非常に魅力的なものになる。ファリアス氏は次のように話している。

「ユーザーはビットコインネットワークから遮断される心配はなくなった」

クリプトバイヤーはすべてのベネズエラ人に、ビットコインブロックチェーンへのより良いアクセスを提供するため、首都カラカスと南部のボリバル州に追加のサテライトノードの設置をすると述べている。ノード内のユーザーは、ローカルのメッシュネットワークを介して接続できるようになるとしている。

6つの静止衛星で構成されるブロックストリーム社のサービスは、世界のほぼ全域に情報共有が可能だ。カナダに拠点を置くブロックチェーン企業は5月、2018年以来初めてビットコインブロックチェーンを運ぶ衛星ネットワークをアップグレードしたと発表した。同社は、この技術が 「ジェネシスブロックから今日までのビットコインのフルノードをすべて同期させる能力を持っている 」と述べた。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン