IoT(モノのインターネット)機器のプライバシー技術を専門とするアイオーテックス(IoTeX)は、カメラメーカーのテンビス・テクノロジー(Tenvis Technology)と提携し、ブロックチェーンを使った屋内防犯カメラ「Ucam」を提供している。

アイオーテックスの事業開発責任者であるラリー・パン氏によると、Ucamのユーザーは分散型システムを通じてカメラデータにアクセスし、「クラックが不可能な」パスワードでログインできるという。カメラやユーザーの携帯電話がすべての計算を処理する。復号化はデバイス上で行われ、ユーザー自身でデータを管理できる。

パン氏によると「すべてのデータをエンドツーエンドで暗号化するため、秘密鍵が使用される」という。「プライバシーや所有権を保証するには条件やポリシーではなく、技術が必要だ」と話した。

インターネットが普及したことで監視カメラには、データやセキュリティ侵害といった、多くの企業が頭を悩ませる問題が発生しており、Ucamはこうした問題を解決することを目指している。

特に米国では外出中の自宅や子ども、ペットなどの様子を確認するために監視カメラには高い需要がある。

しかし、昨年9月には、Amazon傘下のホームセキュリティ企業Ringによる監視カメラがハッキングされ、アラームが突然鳴らされたり、偽のメッセージが送信されるなどの事件が起こった

グーグルネストのカメラでもハッキングされ、2歳の女の子の寝室で、卑猥な音声が流れた事件が起きている。

パン氏は「この種のハッキングはすべて『正攻法』だ」と指摘。「こうしたハッキングはパスワードベースのハッキングで、ブルートフォース(総当たり)で攻撃を受ける。8文字のパスワードは数分で破られるだろう」

ブロックチェーンはエンドツーエンドの暗号化技術を使うことでこうした問題を解決できるとしている。パン氏は技術に精通していないユーザーでも技術の恩恵が受けられるという。

「日常生活の中で、安心とプライバシーよりも優れたものがあるだろうか。」

パン氏はさらにこうした技術は「顧客を仮想通貨ユーザーに転向することを試みることができる」と話している。ブロックチェーン技術には仮想通貨に馴染みのない人々に新たな道を示すことになるという。

「我々は投機の話をしているのではない。ユーザーはブロックチェーンのことを知る必要はない。だたプライバシーのことを目標にすればいいのだ」

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン