世界銀行は、ブロックチェーン技術について、ポテンシャルを認めながらも「土地の権利」にからむ事業においては注意が必要と懐疑的な見方を示している。ロイター通信が3月27日に報じた。

今週ワシントンDCで開催されている第20回土地と貧困に関する年次カンファレンスで、世界銀行のグローバル土地地理空間部門の土地管理スペシャリスト、アーンチャル・アナンド氏はスピーチで、「ブロックチェーンハイプ(誇大広告)」について警告した。

同氏は「テックは大きく派手ですべての問題を解決できるように見えてしまいがちである。しかしその広告看板に書かれているビッグマックは本物と一致することはない」とし、「我々は時に新しいトレンドに目が行きがちだが、基盤技術であれば結果は出るはず」と述べたという。

さらに、記事によると、米シンクタンクのニューアメリカでプログラムアシスタントを務めるティム・ロブステリ氏は、「ブロックチェーンは魔法の弾丸であり、熱帯雨林を救い、世界の飢餓を解消できると一般的に考えられているようだが、それは正しくない」とし、「例えば、ずさんな、あるいは不完全なデータ収集を補完することなどできないはず」としている。

ブロックチェーン支持者は、不動産業界がブロックチェーン技術で生まれ変わる領域の1つだと期待している。また今年初めには、米国のMITテクノロジーレビューが2019年にブロックチェーン技術が日常的なものになるだろうと予測している、と報じられた。

一方で先日、米大手銀行バンク・オブ・アメリカのCTO(最高技術責任者)であるキャサリン・ベサント氏は、米経済番組CNBCのインタビューに対し、個人的にはブロックチェーンに対して弱気であると明かしたとの報道もある。

翻訳 ロシアンOLちゃん
14歳の時に来日してから日本が好きになり、日本語の勉強を始める。大学卒業後、商社、PEファンドなどを経て、現在ではブロックチェーン産業に携わり、SNSでロシアや欧州のブロックチェーン、クリプト情報を発信している。

編集 コインテレグラフ日本版
原文 Blockchain Reality Does Not Match Advertisement, Says World Bank Official