ブロックチェーンプロトコルがターゲットにするのは、フェイクニュースではなく、フェイクビュー。動画データを操作できないようにすることでアドフラウドを厳しく取り締まる。

ブロックチェーンプロトコルは、動画配信者のエンゲージメントを大きく向上することを目的とする。そして誰もが切望する広告収益の大幅な増加が狙いだ。

Verasityのプルーフオブビュー(閲覧証明)プロトコルは、米国特許商標庁からの特許を取得(#10956931)。ブロックチェーンに記録された「正確、安全、かつリアルで透明性の高い」オーディエンスメトリクスを提供し、動画プラットフォームに記録された再生回数が正確であることを保証する。

再生回数が水増し操作されると、広告主は実際には見られていない広告に金額を支払わなければならない。このプロジェクトはこのような「フェイクビュー」の防止に取り組む。推定によると、オンライン広告費の50%以上が、実際には人間が見ていない閲覧に対して支払われているという。

Verasityは、担当チームが執筆したブログで次のように語っている。「これらのアルゴリズムを操作することは、視聴者、クリエーター、ブランド、そして広告主のエコシステムにダメージを与える。視聴者はコンテンツに対し間違った印象を持ち、広告主やスポンサーは誤った方向に進んでしまう。また、フェイクビューに頼らず、時間をかけて素晴らしいコンテンツを作るクリエーターは不利になる。」

閲覧の価値とは?

Verasityのゴールは、コンテンツの真の価値を引き出すことである。オンラインの世界では、多くの人々が動画をクリックし、何百万という再生回数を生み出す。そして視聴者はこの数字を動画の良さの基準として捉えている。しかし不正なアルゴリズムによってつまらない動画ばかり見させられ、クオリティの高い動画が放置されることになれば視聴者はがっかりするだろう。

ブロックチェーンプロジェクトによると、2019年のデジタル広告費は3,250億ドルに達している。新型コロナウィルスの影響で2020年は減少しているが、2021年には3,890ドルまで増加する見込みだ。昨年は広告費の3分の2のキャッシュが、2大動画プラットフォームを抱えるテクノロジー大手GoogleとFacebookに支払われている。

この大手による独占が問題を生じさせている、とVerasityは言う。特に動画コンテンツクリエーターとして生計を立てようとしている人々にとっては大きな問題である。100万回再生に達する動画を投稿しても(これはかなり至難の業である)、1回の再生で得られるのはたったの0.01ドルであり、合計で1万ドルにしかならない。

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すべての人に有益なものを

このプロトコルはウィンウィンの状況を作り出すとVerasityはいう。視聴者は質の良いコンテンツを楽しみ、クリエーターは、広告、寄付、サブスクリプションから報酬を受けられる。またブランドは、広告を飛ばさずに関心を持って見てくれる視聴者に向けて発信することができる。

プルーフオブビューシステムは、動画のループ再生や、複数のクリップの同時ローディングなど、データの再生回数を操作するのに使用される手法を排除する。

視聴者がVerasityプラットフォームからアカウントを作成すると、匿名IDが割り当てられ、ボットがシステムを起動するのを阻止して閲覧が本物であることを保証する。重要なことに、どの動画が閲覧されたかに関するデータについては匿名性が維持される。

Verasityの運営する、アマチュアプレイヤーとプロゲーマーが一緒にプロトーナメントを戦うことができるEスポーツファイトクラブが強力な利用事例の一つだろう。このサイトではプルーフオブビュー技術を投稿者に紹介し、プラットフォームの広告マネタイズを大きく改善するVerasityの優れた機能をすべて備える予定である。

他にも投稿者の収集サイトとして機能するVerasity.tvがある。YouTube、Twitch、Vimeo、Brightcoveやその他プラットフォームに動画を配信するコンテンツクリエーターは、この技術を利用して収入をアップすることができ、欧米の動画プレイヤーの90%がこれを利用している。広告収入の低さに苦しむ200万人以上の投稿者が恩恵を受けられる見込みである。

エコシステムの心臓部となるのは、プルーフオブビュープロトコルが適切に機能することを保証するERC-777トークンである。Verasityは、イーサリアムを使用することで、多くの新たなメインネットが直面する採用に対する懸念なく、トークンが機能することを示唆している。

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