世界最大の資産運用会社であるブラックロックは、現在56万7000BTC以上を保有している。これは約478億ドル相当にのぼり、ブラックロックは世界最大級のビットコイン保有企業の1つとなっている。
アーカム・インテリジェンスのデータによると、ブラックロックの最新のBTC取得は3月14日であり、コインベース・プライムのウォレットから268BTC(約2200万ドル相当)が同社のiシェアーズ・ビットコインETF(IBIT)のウォレットへと送金された。
Source: Arkham Intelligence
さらに、アーカムのデータによれば、ブラックロックは120万ETH(約23億ドル相当)を保有しており、7000万USDCのステーブルコインや多くのアルトコインも保有していることが判明している。
ビットコインETFは「史上最も成功したETFローンチ」とも言われており、ブラックロックのような資産運用会社が数百億ドル規模の流動性を仮想通貨市場にもたらし、従来のサイクル的な資本ローテーションを変化させつつある。
ブラックロックの仮想通貨保有量 Source: Arkham Intelligence
仮想通貨ETFは4週間連続で資金流出
2025年2月から3月初旬にかけて、仮想通貨ETFは4週連続で資金流出を記録している。この背景にはマクロ経済の不確実性や、米国と中国・メキシコ・カナダとの貿易戦争の長期化懸念がある。
コインシェアーズのデータによると、2月~3月の市場低迷に伴うETFの資金流出額は総額47億5000万ドルに達しており、3月9日の週だけで8億7600万ドルの流出が発生した。
ブラックロックのiシェアーズ・ビットコインETF(IBIT)も例外ではなく、3月9日の週には1億9300万ドルの流出を記録した。全ビットコインETFの3月の資金流出額は月初から7億5600万ドルに達している。
仮想通貨ファンドの週次流出額 Source: CoinShares
市場の不透明感が続く中でも、ブラックロックは2025年2月にIBITを自社の「モデルポートフォリオ」に追加した。
ブラックロックのモデルポートフォリオとは、さまざまな資産や金融商品を組み合わせた分散投資プランであり、さまざまなリスクプロファイルに応じた投資戦略を提供する。このポートフォリオは、投資顧問を通じて顧客に推奨される。
IBITがモデルポートフォリオに組み込まれることで、ビットコインへの新規資金流入が大幅に増加する可能性がある。特に、仮想通貨の自己管理やオンチェーン取引を避けたい投資家にとって、ETFを通じた間接的なビットコイン投資の魅力が高まると考えられている。