米証券取引委員会(SEC)は、ブラックロックとグレイスケールが申請したイーサ(ETH)現物上場投資信託(ETF)の審査を延期する方針だ。数時間前にはフランクリン・テンプルトンのイーサ現物ETFに対する審査延期が発表している。
当初、デジタル資産運用会社グレイスケールのETHトラストをイーサ現物ETFに変更する申請に対するSECの審査は4月24日までだったが、60日延長され、6月23日となる。
SECは4月23日の通知で「委員会は、提案された規則変更を承認または否認する命令を出すまでの期間を延長することが適切であると判断した。これにより、修正案第1号によって修正提案された規則変更を十分に検討する時間を得ることができる」と述べた。4月2日にグレイスケールの修正申請の通知が公表され、この修正によりグレイスケールの主張は強化されたが、提案自体に実質的な変更はなかった。
またSECは現在、フランクリン・テンプルトンの申請に対しては6月11日までに判断を下す見込みだ。
グレイスケールは4月23日にS-1登録届出書と内容が同様で、より簡略的なS-3フォームを「グレイスケール ETH トラスト」と「グレイ スケール ETH ミニ トラスト」に対して提出した。

ブラックロックは2023年11月にイーサ現物ETFのS-1登録届出書を提出。ブラックロックの申請に対する判断は3月に延期が発表された。その後、SECは同月、ハッシュデックスとARK 21が申請したイーサ現物ETFの審査も2カ月延期し、5月下旬までとなった。
ブラックロックは4月19日に申請を修正している。SECが4月23日に公開した通知では、修正内容の詳細が説明されており、主に「株式の作成と償還」に関するものだった。また、連邦官報への掲載後、21日間提案に対するコメントを受け付ける期間が延長された。SECが判断を下す期限は示されていない。

報道によると、SECはイーサ現物ETFの申請に対して積極的な姿勢を見せておらず、多くの専門家はこれは却下される可能性が高いとみている。