ブラックロックのビットコイン現物上場投資信託(ETF)であるiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)は3月5日、過去最高額となる7億8800万ドルの資金流入を記録した。2月28日の6億1210万ドルを更新した。
ビットコイン市場は3月5日、新たな節目となる出来事を2つ迎えた。1つはビットコイン価格の史上最高値更新(6万9324ドル)、もう1つは米国におけるビットコイン現物ETFへの投資急増だ。投資運用会社ファーサイドのデータによると、ビットコインが史上最高値を更新した当日の総流入額は6億4830万ドルだった。

ただ、承認された10種類のETFのうち、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)とインベスコ・ギャラクシー・ビットコインETFは、3月5日にそれぞれ3億3250万ドルと1420万ドルの資金流出を記録している。
一方、純流入は主にIBITを筆頭に、フィデリティ・ワイズ・オリジン・ビットコイン・ファンドが1億2560万ドル、ビットワイズ・ビットコインETFは370万ドル、ARK 21シェアーズ・ビットコインETFは6370万ドル、フランクリン・ビットコインETFは360万ドル、ヴァンエック・ビットコイン・トラストETFは350万ドル、ウィズダムツリー・ビットコインETFは660万ドルが流入した。
ヴァルキリー・ビットコインETFは資金流入がなかったものの、ビットコインETF市場全体では、GBTCの累計96億ドルの流出を考慮しても、85億ドルの資金流入を記録している。
過去のデータによると、IBITとFBTCは、これまで一度も資金流出を記録したことがなく、市場最大の資金流入を記録している。3月5日時点で、IBITとFBTCの累計資金流入額はそれぞれ91億6000万ドルと53億ドルだった。
一方、GBTCのビットコイン保有量は、ETFへの変換当初の62万BTCから33%減少して、執筆時点で約42万680BTCとなっている。
活発な投資と強気相場を背景に、米国市場におけるビットコイン現物ETFの累計取引量は100億ドルを超えている。

ブルームバーグのETFアナリスト、エリック・バルチュナス氏は3月5日、これらの数字を報告する記事の中で、「2ヶ月未満のETFとしては驚異的な数字だ」と指摘した。