ブラックロックのデジタル資産部門責任者ロビー・ミッチニック氏は、世界最大級の資産運用会社の顧客の多くは、ビットコインに投資する際、日常決済での利用を重視していないと述べた。
「現時点で、当社や多くの顧客は、ビットコインが世界的な決済ネットワークになるという前提では評価していない」と、ミッチニック氏は金曜にYouTubeで公開されたポッドキャストのインタビューで語った。
「“現実的に起きる前提ではないが、もし起きれば追加的な利益になる”という位置づけだ」と同氏は述べた。
これはビットコイン(BTC)が将来的に決済で広く使われないという意味ではなく、「より投機的なシナリオ」であり、投資家が重視しているのは「デジタルゴールド」や価値保存手段としての側面だと説明した。
「状況が変わるには、多くのこと」が必要
「ビットコインのスケーリング、ライトニング、その他さまざまな取り組みが求められる」と同氏は話した。2024年8月には、ギャラクシーリサーチが、多くのビットコインL2スケーリングネットワーク、特にロールアップが、長期的には持続可能ではない可能性があるとの見解を示している。これらはビットコイン決済を低コスト・高速・分散化された形で維持する手段として期待されてきた。
一方でミッチニック氏は、ステーブルコインが決済分野で「非常に成功している」と述べた。「価値を効率的に移動させる決済手段・送金手段として、明確なプロダクトマーケットフィットを持っている」という。
「ステーブルコインは、現在の利用領域を大きく拡大する潜在力を持っており、仮想通貨取引やDeFiを超えて、個人の海外送金、企業・多国籍企業のクロスボーダー取引、資本市場の決済活動にも広がり得る」と述べた。
さらにビットコインは、他の分野よりも小口の国際送金で競争できる可能性が高いとしつつ、「将来的に不可能ではないが、現時点で前提にするには投機的過ぎる」と慎重姿勢を示した。
ステーブルコインは「予想以上のスピードで拡大」
ARKインベストのキャシー・ウッドCEOは最近、ステーブルコインが「予想以上に急速に拡大している」ことが、2030年のビットコイン価格予測を引き下げた理由だと述べた。
「ステーブルコインが、ビットコインが担うと想定していた役割の一部を奪いつつある」と同氏は述べた。
ウッド氏は、ビットコインが2030年に150万ドルへ達すると以前予測していたが、ステーブルコインが多くのユースケースをすでに担っていることから、その予測を30万ドル程度引き下げるのが妥当かもしれないとした。
「新興国がこの分野で特に重要で、米国の機関投資家も新たな決済レールに関心を寄せ始めている」とウッド氏は述べた。
テザー共同創業者リーブ・コリンズ氏は9月、コインテレグラフの取材に対し、2030年までに「あらゆる通貨がステーブルコインになる」と予測した。金融のあらゆる領域がオンチェーン化へ向かうという大きな潮流の一部だと見ている。
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