著作「ブラック・スワン」で有名な元オプション・トレーダーのナシーム・ニコラス・タレブ氏が、ビットコインに対して前向きな発言をした。

タイムズ・ネットワークのインディア・エコノミック・コンクレーヴのインタビューに答えたタレブ氏は、「仮想通貨、とりわけビットコインのストーリーとブロックチェーンは無視できない」と発言。レバノン系のアメリカ人であるタレブ氏は、レバノンなどの国の国民は政府や銀行システムに対して「信用を失っている」とし、次のように述べた。

もし仮想通貨が支配力を増したら、中央銀行は金融政策をコントロールできなくなるかもしれない。政府なしの通貨は素晴らしい

タレブ氏が提唱した「ブラック・スワン」とは、確率は低いが、実際起こると甚大な損害をもたらすテールリスクを指す。同氏は、ビットコインにまつわるリスクや詐欺行為について認める一方、政府の能力に対しても大きな不信感を持っている。

「もちろん、詐欺やポンジ・スキームの問題はビットコインや仮想通貨につきまとうだろうが、レバノンのような政府がポンジをやっていることを見てほしい。どっちが良いか考えた方が良いだろう」

ポンジスキームは、高配当の利回りを実現すると謳いながら、実際は出資者から得た資金で配当を賄う詐欺のこと。広く自転車操業的な詐欺の手法を指す。