仮想通貨運用大手のビットワイズは1月24日、自社の現物型ビットコイン上場投資信託(ETF)のビットコインアドレスを公開した。10社の現物型ビットコインETF発行者の中でこのような試みをしたのは初めてのケースだ。このビットコインウォレットアドレスは公開されてから数時間で、ビットコインのオーディナルズや希少なSATSを含む複数の寄付を受け取った。
現在、このウォレットアドレスは6083ドル相当のインスクリプション寄付を保有し、1万6000件以上のインスクリプションを保持している。これらのインスクリプションには、2つのRSICエアドロップ、1つのビットコインパンク(Bitcoin Punk)、1つのビットコインバリアルズ(Bitcoin Burials)、1つのクアッドキー(Quadkey)などが含まれる。このアカウントは数千のBRC-20インスクリプションも保有しているが、有効なBRC-20残高はアカウントに存在しない。

オーディナルは、画像、動画などのデータをビットコインの基盤ブロックチェーン上の個々のサトシに書き込むことで、ビットコインベースの非代替性トークン(NFT)を作成する。サトシはビットコインの最小単位であり、1サトシは1BTCの1億分の1となる。オーディナルは昨年になって登場したばかりだが、仮想通貨コミュニティで広まっている。
オーディナルとインスクリプションの人気は、ビットコインネットワークをより流動性が高く多様にすると信じるオーディナル支持派を生み出した一方、他方でオーディナルのインスクリプションが追加のブロックスペースを占有しネットワークを混雑させると考える人々もいる。
仮想通貨コミュニティの多くはビットワイズのETF保有アドレスを公開する動きを称賛したが、一部の人々は1万2000BTCの単一の送金に注目する。これは同社がアドレスを検証するためのテストトランザクションを送信しなかったことを示唆する。「正直、約1万2000BTCをそこに投入する前にそれをテストしなかったことには驚いた」とアレクサンダー・ライシュマン氏はツイートしている。
Very cool. However, it would be nice to see at least one transaction spending FROM the address. Honestly kind of shocked they didn't test that before throwing ~12k BTC in there https://t.co/RpNqyWBs1T https://t.co/DtSC09D9rs pic.twitter.com/rKDSgTsWaf
— Alexander Leishman (@Leishman) January 24, 2024
他の人々は、ビットワイズがより安全とされるマルチシグウォレットではなく、シングルキーウォレットを使用したことに疑問を投げかけた。マルチシグウォレットは、銀行の貸金庫のように複数のプライベートキーを同時に使用して開ける必要がある。したがって、2つ以上のプライベートキーを使用することで、マルチシグウォレットは仮想通貨の保管に追加のセキュリティを提供する。「透明性はクールだが...半ば狂気だ。5億ドルを単一の公開キーハッシュアドレスに入れるなんて。マルチシグを使用せよ。そして、世界にマルチシグを使用していることを証明せよ」とピーター・トッド氏はツイートした。
While the transparency is cool... WTF at putting half a billion dollars into a single pay-to-pubkey-hash address.
— Peter Todd/mempoolfullrbf=1 (@peterktodd) January 24, 2024
That's completely insane. Use multisig. And prove to the world that you're using multisig. https://t.co/ULCQUkIbCE
コインテレグラフはビットワイズにオーディナルのサポートとシングルキーのウォレットをマルチシグウォレットに切り替える計画について問い合わせたが、記事執筆時点で返答はなかった。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン