ビットコイン・マイニング企業であり、上場企業としては最大のイーサリアム(ETH)保有者でもあるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズは、最大10億ドルにおよぶ自社株買いプログラムを発表した。発行済株式を公開市場または相対取引で買い戻す方針だ。
現在、同社の株価は純資産価値(NAV)を下回っており、ビットマインは当面の間、イーサリアムの準備資産を拡大するのではなく、自社株買いに資金を振り向ける方針を取っている。
発表によれば、同社の1株あたりのNAVは22.76ドルとなっている。暗号資産は62万5000ETHと192BTCを保有している。高値圏でのイーサリアムの積み増しを避け、NAVと株価の乖離を買い戻しの契機とすることで、1株あたりの価値と投資家が保有するイーサリアム準備資産へのエクスポージャーの向上を目指す。
「我々が掲げるETHの5%を実現する道のりにおいては、資本の最適な使い道が自社株買いになる時もある」と、7月8日付で会長に就任したトム・リー氏は語った。
ビットマインは担保制限のない現金を4億0140万ドル保有しており、自社株買いの相当部分を直接資金でまかなうことが可能だ。
イーサリアム戦略:「5%の錬金術」
ビットマインは2025年6月30日、イーサリアムの総供給量の最大5%を取得・ステーキングする方針を発表した。それに伴い、同社はトム・リー氏を会長に任命し、「5%の錬金術」と題した「会長メッセージ」を通じて長期的なETH戦略を発信している。
最新のメッセージでは、リー氏はイーサリアムを「今後10年で最も重要なマクロトレード」と位置づけ、ステーブルコインについては「仮想通貨におけるChatGPT的瞬間」だと表現した。ステーブルコインの約半数がイーサリアム上で発行されていることから、同氏はステーブルコインの大衆的な普及が、ETH価格の持続的な上昇を牽引すると見ている。
同社は、イーサリアムが将来の金融インフラの基盤になるという前提のもと、ネイティブトークンであるETHの実質的なシェアを保有することが長期的な価値創出につながると判断している。
なお、ETH保有に加えて、ビットマインはビットコインのマイニング事業も継続しており、液浸冷却技術を用いてマイニング効率を高めている。
シャープリンクがETHを追加取得
ビットマインが上場企業として最大のETH保有者の地位を維持しているものの、競争は激化している。デジタルエンターテインメント企業シャープリンク・ゲーミングは、7万7209.58ETHを新たに取得したと発表し、総保有量は43万8190ETH(約16億ドル)に達した。
シャープリンクのジョー・ルービン会長は月曜日、ブルームバーグに対し、「当社は他のイーサリアムベースのプロジェクトよりもはるかに速いペースで、1株あたりのETH保有量を増やすことができる」と語った。一方で、同氏はETHの取得には慎重な姿勢を維持しており、「どんな施策を講じるにしても、レバレッジ管理は徹底する」と強調した。
この動きは、スタンダードチャータード銀行の最新レポートと軌を一にしている。同レポートによれば、2025年6月以降、上場企業が流通中のETHの1%を取得したという。レポートを執筆したジェフリー・ケンドリック氏は、「ETHを財務資産として保有する企業は始まったばかりであり、今後は現在の10倍規模に達する可能性がある」と述べている。
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