仮想通貨取引所ビットメックスのリサーチ部門は、このほどツイッター上に漏洩したマイニング大手ビットメインのデータを分析し、30日にレポートを発表した。ビットメインは甚大なポテンシャルがあるが、将来成功する可能性はマネジメントスキルに左右されると結論づけた。
リサーチによると、プレIPOに関するデータにおける最も興味深い発見は、ビットメインのマイニング事業による利益は多大に減少しているということだ。2016年はマイニング事業が同社の売り上げの18.4%を占めたが、今年の第1四半期では、売り上げに対するマイニング事業の割合が3.3%にまで減少した。
リサーチによると、ビットメインは目に見える損失に直面する可能性が高い。これは昨年、営業キャッシュフローの大半をビットコインキャッシュの購入にあてたためだ。ビットメックスは、ビットメインの潜在的な損失が3億2800万ドル(約364億2000万円)に達すると見積もっている。
ビットメックスは、ビットメインはIPOに関する様々な噂はあるが、ブロックチェーン領域において最大企業であり、利益をあげていることから、より多くの投資家を集める可能性があると強調している。
リークしたデータを分析すると、ビットメインはプレIPOでおよそ140億ドルを調達した模様で、IPOでは200億ドルを集める可能性が高い。
ビットメインは現在も、マイニング機器市場における最大の企業だ。ASIC設計とマイニング機器のシェアにおいて占有的な地位にある。また、大手マイニングプールのBTC.comとアントプールを所有している。
ビットメックスはビットメインの将来の見通しについて警戒的楽観姿勢を示した。
「ビットメインは伝説的な仮想通貨企業になりうる。今後数十年間、株主に対し強いリターンをもたらすかもしれない。しかし、これを達成するためには(そして、これは見かけ以上に厳しいものだ)、ビットメインのマネジメントチームは企業のリソースのマネジメントを改善する必要があるだろう。企業が上場したら、ボラティリティが高く、予測不可能なこの仮想通貨の市場において、資本配分決定はとても難しくなる。感情があまりにも多くの投資判断に影響を与えることは許容されないだろう」
コインテレグラフは最近、ビットメインIPOについての不透明な噂などを伝えた。DSTグローバルやソフトバンクは当初、潜在的な投資家として名を連ねていたが、その後、ビットメインに投資をしないことを明言している。