ビットコイン特有の性質によって、お金、通貨、商品と、それぞれ個人の嗜好に応じたビットコインの立ち位置が明確になりつつある。

 

ビットコインと金の類似性

 

ビットコインを商品として見ると、多くの人がその金との類似性を指摘することが多い。金のように、ビットコインは耐久性に優れ、転送可能で、分割も可能、数に限りがあり、認識可能、且つ、代替可能だからだ。これらは健全なお金を定義する資質である。

NetcoinsのMichael Vogel CEOは、ビットコインを金と比較した際に、デジタルな金の代替として常に考えていたと述べており、金を投資対象として考えているほとんどの投資家にはビットコインに対して同じような感覚を抱いている人が多いことについても述べている。

“Netcoinsの仮想ATMユーザーの大半が、定期的に金にも投資をしているという話をよく聞きます”と、同氏は述べる。

しかしながら、Forbesの寄稿者、Panos Mourdoukoutas氏は、今年は今のところ、かなりの差をつけてビットコインが優勢であり、金は8.73%獲得した一方、ビットコインは2倍以上。どちらのアセットも、S&P 500及び米国債よりも優れたパフォーマンスを発揮していると語る。

 

何故ビットコインは優れているのか

 

短期的な見方をすれば、誰もがビットコインを魅力的な投資対象として見がちである。

Nexxus Partners CEO 兼 Nexxus Universityのオーナー、Bob Wood氏は、ビットコインがまだ業界において比較的新しい存在であるという事実に優位性があると考えているため、まだ安定性を見出すことはできないと語る。

“ビットコインはまだ新入り的存在ですし、金よりボラティリティが高い。つまり、相場が変動しやすいわけですが、ビットコイン利用者の基盤が成長するにつれて安定してくるでしょう。ビットコインはまだ、リスク回避型の投資家たちが潜在的な投資収益率を得るアドバンテージが少ない早期導入のフェーズにあります”と、Wood氏は語る。

しかし、彼が運営する大学のコースにおいて、健全な真のお金の価値について触れられている通り、ビットコインと金の間にはそこまで大きな違いはない点についてもWood氏は語っている。

 

ビットコインにはまだまだ燃料が残っている

 

Vogle氏は、インタビューの中で、最近のビットコインにまつわる出来事によって、今まで以上にビットコインや仮想通貨の未来に対して楽観的になったとコインテレグラフに伝えている。

“今まで以上にビットコインに対して強気になりました。2016年になり、人々はビットコインに様々な新たなユースケースを見出し続けてきました。最近のものでは、初めてビットコインを利用しようと考える人が爆発的に増えた、インドの高額紙幣廃止の件があります。インドにおいて興味深いのは、単純な興味による動機とは反して、必要に応じてビットコインを利用する現地のビットコインユーザーがいるということです”

しかし、Vogel氏は、ビットコインの真の価値は、投機対象としてではなく、取引媒体としてのビットコインにあると強く信じている。”未だに、ビットコインの一ファンとして、多くの年にわたって高値を更新し続け、株や金のような伝統的な投資手段と比較しても素晴らしいパフォーマンスを誇るビットコインには驚かされます”

同氏は、エレクトロニクス、歯科、ジュエリー業界など、ビットコインによるアプリケーションが存在しない特定の産業においては、まだ金に価値の優位性はあると結論付けている。

しかし、世界中に資産を移動させることが出来る能力と、決済の方法として見れば、容易にビットコインに軍配が上がるだろう。